「驚いた」「今まででは考えられない」“ミラクル韓国”を先導するソン・フンミン、母国記者も驚愕した行動とは?【現地発】

2024年02月05日 江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

「誰がゴールを決めるかよりも、得点することが大事」

ファン・ヒチャン(左)にPKを譲ったソン・フンミン(右)。写真:サッカーダイジェスト(現地特派)

 2月2日に開催されたアジアカップの準々決勝で、韓国代表はオーストラリアと対戦。延長戦の末に2-1で勝利し、ベスト4に駒を進めている。

 42分に先制を許した韓国は、後半アディショナルタイム6分にエースのソン・フンミンが獲得したPKをファン・ヒチャンが冷静に決めて、土壇場で同点に追いつく。迎えた延長戦の104分にソン・フンミンが圧巻のFKを叩き込んで逆転に成功。ラウンド16のサウジアラビア戦に続いて、劇的な勝利を飾った。

 この試合で目を疑ったシーンがあった。同点弾となったPKを獲得したソン・フンミンは、自ら蹴ろうとするとも、ファン・ヒチャンから「蹴りたい」と言われ、なんとキッカーを譲ったのだ。

 試合後、韓国の大黒柱は「体力的にきつかったし、ファン・ヒチャンは自信があり、蹴りたいと言った。誰がゴールを決めるかよりも、得点することが大事。彼が成功させて、チームに貢献できたことが嬉しいよ」と譲った理由を明かしている。

【動画】ソン・フンミン、ド迫力突破でPK獲得&超絶FK弾!
 サッカー専門誌『Four Four Two』の韓国版の元編集長で、現在はフリーランスのホン・ジェミン記者も、このシーンには「驚いた」と語る。

「あの場面でPKを譲るなんて、今までのソン・フンミンでは考えられなかった。変わったと思う」

 失敗したら敗退という場面で、大エースのソン・フンミンに対して「蹴りたい」と言えるファン・ヒチャンのメンタリティにも驚かされる。しかも、ソン・フンミンが獲得したPKだ。もし外せば、痛烈な批判を浴びるのは目に見えている。

 それほどのふてぶてしさがあるからこそ、あのPKを落ち着いて決められたのかもしれない。サウジアラビア戦、オーストラリア戦と敗色濃厚の状況から追いつき、4強に勝ち上がってきた韓国。ミラクルを起こすだけの精神力を彼らは持っている。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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