【現地発】C・ロナウドの新たな戦闘靴は「第二の皮膚」。さらにサッカーにとって長年の“敵”を排除する革新的スパイクも登場!

2016年03月17日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

スパイクが「足を包み込む」ような感覚を実現。

個人向けのプロダクトやサービスを提供する新たなアプリ『Nike+』の概要を説明するナイキのパーカーCEO。サービスは今年6月から展開される。(C)NIKE

 壮大かつダンサブルな音楽とともに登場したマーク・パーカーCEOなどが、エモーショナルかつキャッチ―な言葉を投げかけ、全世界から集まった約350名のメディアを高揚させる――。現地時間3月16日、『ナイキ』がアメリカのニューヨークで開催したメディア向けのローンチイベント「イノベーション・サミット2016」は、熱狂とともに幕を開けた。
 
 個人向けのプロダクトやサービスを提供する新たなアプリ『Nike+』が発表されたランニングをはじめ、陸上、バスケットボール、スポーツウェアなどとともに、サッカーでもナイキらしい斬新な最新技術を用いた新アイテムが発表された。
 
 まず、クリスチアーノ・ロナウドや長友佑都が愛用するスピードを追求したスパイク『マーキュリアル スーパーフライ』の最新作、『ナイキ マーキュリアル スーパーフライ V』だ。ナイキ フットボール フットウェア担当副社長のマックス・ブラウは、ニュースパイクについてこう説明してくれた。
 
「今回初めて、解剖学に基づいた曲線的なプレート(足底)を使っています。今まではフラットでしたが、より人間の足に近い形にしたのです。結果、まるでスパイクが足を包み込むような感覚、つまり"第二の皮膚"のような形状を実現しました。さらに素材も、これまでのカーボンファイバーより40パーセント軽いものを開発しました」
 
 また、短距離走者などのデータを用いた分析によって、スピード系選手に最適なスタッドを開発。具体的には前足が加速、後足が減速&ストップを容易にできるような配置になっており、これによってすべての動きをより素早く正確に行なうことができるのだ。
 
 さらに、以前からアッパーに用いている「フライニット」がさらに進化。スパイクとボールがより高速で連動するように、これまでにはなかった凸凹を加えて、ハイスピードでもボールコントロールがぶれないような立体感を作り出した。
 
「クリスチアーノ・ロナウドは最初このスパイクにどんな反応を示しましたか?」
 
 ブラウ担当副社長にこう問いかけると、こんな返事が返ってきた。
 
「マドリードの彼の家で初めてサンプルを試してもらったとき、『これまでとは感触がまるで違う。すごく自然な感覚があるから、足を気にせずに気持ちよく走れると思う。僕のような縦のスピードを持ち味とする選手には最高だね』と言っていました」

次ページ4年間に渡る研究を経て、ついに“敵”の排除に成功する。

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