徹底対策されている日本の絶対的な強み。“黄金の右サイド”は輝きを取り戻せるか。菅原は「不甲斐ない。すごく腹が立っている」【アジア杯】

2024年01月22日 元川悦子

選手個々の危機感も強まる

森保Jの最大のストロングである伊東(14番)と菅原(2番)の右サイド。相手の対策を上回り、攻守両面で圧倒したい。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 ベトナムに4-2で勝利も、イラクに1-2で敗戦。アジアカップで2試合を終え、勝点3という想定外の展開になっている日本代表。

 2019年のUAE大会王者カタールや、2022年カタール・ワールドカップ出場国のオーストラリア、イラン、サウジアラビアなどが順当に2連勝するなか、日本の出遅れはやはり無視できない。

 1月24日のグループステージ最終戦に向け、イラク戦の先発組も参加した21日のトレーニング前には、30分の長いミーティングも行なわれた。

「今まではコーチ陣が話していることに対して、聞いてミーティングが終わるという感じでしたけど、今日はディスカッションというか、自分も含めていろいろな話をした」とキャプテンの遠藤航(リバプール)が話していたが、それだけ選手個々の危機感が強まっているということだろう。

 2試合で4失点という守備面については早急に改善が必要だが、攻撃面も嚙み合っているとは言い切れないものがある。とりわけ、第二次森保ジャパン発足後、日本最大のストロングとなっていた右サイドが徹底的に対策されているのは問題だ。

 伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)と菅原由勢(AZ)のコンビがドイツやチュニジアを粉砕してきたという事実は、今や世界中が認識している。となれば、今大会の対戦国が対策を講じないはずがない。そこに彼ら自身の低調なパフォーマンスも重なっている印象だ。
 
 特にイラク戦で2失点目につながる突破を許した菅原は「ここ1、2試合が自分のパフォーマンスじゃ到底ないのは、自分自身が一番よく分かっている。本当に不甲斐ないし、すごく腹が立っているし、こんなもんじゃない」と語気を強めていた。

 今大会に入ってからの彼の球際やダイナミックさ、アグレッシブさが見劣りしているのは確か。そこを抜本的に改善するところから取り組むしかない。

 そのうえで、右の縦関係を活性化する必要がある。

「去年1年間やって、僕らも右サイドで崩せて、攻撃チャンスも作れて、ポジティブな結果を残せたので、相当な自信はありました。でもやっぱり公式戦になると、特にアジアの国はすごく対策してくる。それでももっと(攻めの)回数や質を上げていかなきゃいけない、対策を上回るものも作っていかなきゃいけない。

 オーバーラップを躊躇したりとか、後ろのサポートを多くするっていうことじゃなくて、もっともっと相手をかき乱していけば、相手の90分間を走る体力を考えたら、日本のほうが上回れる」と、菅原は自分からアクションを起こしていくことの重要性を改めて強調した。

【PHOTO】サムライブルーと日の丸に身を包みスタジアムに集結した日本代表サポーター!

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