【岩本輝雄】イラク戦の久保には本当にガッカリ...見せ場はほぼなし。攻撃を停滞させていた|アジア杯

2024年01月20日 岩本輝雄

鈴木は対応が少し中途半端かな

トップ下で先発した久保。本来の実力を発揮できなかったね。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

[アジア杯GS第2節]日本 1-2 イラク/1月19日/エデュケーション・シティ・スタジアム

 イラク、強かったね。日本は勝てばグループステージ突破を決められたけど、そうそう上手くはいかないね。

 イラクの選手たちのフィジカルは欧州のレベルにも引けを取らず、自分たちの強みを前面に出してきた。球際でも簡単に負けないし、あれだけマンツー気味にこられると、日本もさすがにてこずっただろうね。

 最初からイラクはアグレッシブに飛ばしてきたから、90分は持たないだろうなと見ていた。後半は日本の選手たちの距離感も良くなって、リズムが出てきたけど、イラクも粘り強く守ってきて、最後にコーナーから遠藤が1点を返すのが精いっぱいだった。

 やっぱり前半の2失点が痛かった。取られ方も良くなかったと思う。

 1失点目は、クロスを鈴木が弾いたボールを押し込まれた。ベトナム戦でも似たような失点があったよね。彼を責める気はないけど、少し対応が中途半端な気もする。

 2失点目は、伊藤が相手のフォワードを見ていたと思うけど、シュートを打たせてしまった。ただ、勢いを持ってペナに入ってきていたから、あれを止めるのは難しいよ。クロスも完璧だったしね。

 2つの失点は、いずれも右サイドを崩されてやられた。ゴール前でのカバーリングとか修正ポイントはあるだろうけど、それよりもサイドで突破されないとか、えぐられてもクロスを上げさせないとか、そこでの守備に問題があるようにも見えた。
【PHOTO】日本代表のイラク戦出場16選手&監督の採点・寸評。全員が及第点以下の厳しい評価。最低点は守備者の2人
 一方の攻撃はどうだったか。イラク戦では満を持して久保がトップ下で先発したけど...さっぱりだったね。厳しい言い方をすれば、攻撃を停滞させていた。チャンスメイクしようと懸命にプレーしていたけど、ほとんど見せ場を作れなかった。

 怪我明けで、まだコンディションが完全に戻り切っていないのかもしれない。でも、ピッチに立ったら、それは言い訳にはならない。本人もそんなことは分かっているだろうけど、本来の力を発揮しきれずにいた。

 実力に疑いはないからね。期待していたぶん、ガッカリしたよ。もっとできるはずだし、やらなければいけない選手だから。

 久保がトップ下で、南野が左サイドに回ったけど、そのキャスティングもどうだったのか。4-2で勝利した初戦のベトナム戦で、トップ下に入った南野は2得点・1アシストと躍動。今の調子を見れば、南野を真ん中に置いたほうが攻撃はスムーズに回るんじゃないかな。サイドだとどうしても、守備の負担が増えるしね。

 次は24日のインドネシア戦。引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる大一番で、森保監督がどんなメンバーを選び、どう配置するか。その采配にも注目したい。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、51歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた"40メートルFK弾"は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。

【PHOTO】スタジアムを華やかに彩る! アジアカップを盛り上げる美女サポーターを特集!

久保建英も思わず苦笑。取材エリアで見たまさかの光景。イラクは選手も記者も優勝したかのように狂喜乱舞【アジア杯】

「すごく後味が悪い」「反省している」久保建英が敗れたイラク戦後に指摘した問題点「1失点は仕方ないですけど...」【アジア杯】
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事