カタールで開催されているアジアカップ2023は、全出場国がグループステージの第１戦を消化し、早くもさまざまなトピックを提供してサッカーファンの関心を引いている。

　日本や韓国、オーストラリア、カタール、イランといった優勝候補が軒並み白星スタートを切ったのに対して、最新のFIFAランキングで79位に低迷する中国代表は初戦で同106位のタジキスタンと０－０のドロー。疑惑のジャッジでゴールが取り消されるなど物議を醸したが、中国のメディアやファンは母国代表チームの体たらくに怒り心頭だ。
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　中国メディアではその後も事あるごとに比較論を展開。日本代表に善戦したベトナム代表や、韓国代表を苦しめたバーレーン代表、そしてタイ代表などが連日のごとく登場し、「昔は格下だったが、彼らはいまや中国代表より強いかもしれない」といった悲観的な論調が大勢を占めている。

　中国の第２戦となるレバノン戦（現地１月17日）は、決勝トーナメント進出に向けて勝利が絶対不可欠な一戦で、中国メディアは「生死を賭けた大一番」と煽っている。そんななか、スポーツポータルサイト『捜狐体育』は著名な記者であるペイ・リー氏の最新レポートを掲載。中国代表の選手たちは容赦なく浴びせられるバッシングに苦しんでいる、と伝えたのだ。記者は次のように説明している。

「彼らは強い不安と重圧に圧し潰されそうだ。もちろんベストを尽くしてはいるが、それでも勝利を得られないため、試合後には猛烈な批判や批評に直面してしまう。心理的な息苦しさや無力感を感じてしまっている。ビッグマッチの経験はそれなりにあるものの、選手たちの平均年齢は30歳に近い。大半が体力やコンディションの面で問題を抱えている。一方で、若手のベンチメンバーは技術や経験の面で期待される水準に達していない。チームの長期的な見通しは立っておらず、まさに不安だらけである」
 

　これに対して『中超球評』のラオ・クー記者は、独自の見解を示した。「中国代表が直面している課題は短期的な試合成績にとどまらない。長期的にいかに戦力を向上させ、運営体制を改善し、ファンの信頼を回復させるかにある」と説き、「フィールドでの選手たちのあらゆる努力は、彼らの能力を試すものであり、未来への投資でもある。いま、中国代表がなすべきことは、試合前の不安や重圧に捕らわれるのではなく、屈辱から学び、ふたたび自分たちの実力を証明するチャンスを掴むことだ」と論じた。

　中国代表はグループＡでカタール、レバノン、タジキスタンと同居。最終戦は好調の開催国カタールが相手となるため、なんとか第２戦のレバノン戦で３ポイントを上積みして勝点を４に伸ばし、グループ３位でのベスト16進出も視野に入れたいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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