“J1仕様”整えた町田。攻守に代表クラスを迎え入れ、スタッフも増員。充実のラインナップに黒田監督も「あわよくば優勝を見据えて」

2024年01月16日 郡司 聡

新助っ人の獲得を“フライング発表”

初のJ1に挑む町田。14日に始動し、19日に沖縄でキャンプインする。写真:郡司聡

 戦力補強の目玉選手と言っていい昌子源は、始動日(1月14日)の"パスコン"で入念にボールの感触を確かめていた。

 パスの配球先となる選手の名前を呼び、正確なパスを通す。初日の昌子は終始リラックスしているように映った。同日午後の新体制発表を終えた昌子は、新チームの雰囲気についてこう語っている。

「練習中の掛け声一つをとっても、高校生のように楽しくワイワイやるのは新鮮でした。チームの若さは武器だし、そこに勝ち癖をつけていければいい。勝ちながら成長していければと思います」

 初のJ1を戦う町田の今オフの強化方針は、J1定着と上位進出を見据えた陣容を整えること。たとえば、昌子はチーム編成の定石とも言えるセンターライン強化の一環として、強化部が「真っ先に声を掛けた」(原靖フットボールダイレクター)新戦力だ。
町田 24シーズンの選手リスト
 さらにチーム最後尾には、日本代表のGK谷晃生を獲得。最後の最後に失点を阻止できるGKは勝点量産に欠かせないピースだが、その役割を熟知している谷は「最後のゴールを割らせない仕事を全うする」と語っている。

 そして新体制発表会の席で、原FDはメディカルチェック前にもかかわらず、「コソボとスウェーデンのダブルパスポートを持つ」(原靖FD)CBイブラヒム・ドレシェビッチの獲得を"フライング発表"。J2と比較してクオリティが一気に上がる相手の攻撃を的確にはね返す人材として、白羽の矢が立った格好だ。

 一方で点を取り切るための役割を果たすアタッカー陣では、元FC東京所属であり、母国のFCソウルで名を上げた韓国代表クラスのナ・サンホを獲得。また原FDが「日本を代表するアタッカーになる素材」と評する藤本一輝らも加入し、単独突破ができる選手のクオリティとその枚数を確保した。

「ちょっと恐ろしいぐらいの攻撃陣が揃ったし、昨季の町田らしく、一気にひっくり返せる選手も入ってきているので、ワクワクしている」。黒田剛監督がそう話したように、J1の経験値が少ないチームのコアとなるポジションに有力なタレントが加入した。

【PHOTO】J1で新たな歴史を刻もう!町田が新体制発表会を開催

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