「味方に要求していきたい」先輩たちの寂しき移籍を経て脇坂泰斗が示す川崎での新たな決意

2024年01月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年は守備面の強化も求めて

新たに始動した川崎で軸として期待される脇坂。昨季のような活躍を見せたい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 1月12日に始動した川崎の練習場には、これまでとはどこか異なる真新しい雰囲気が広がっていた。

 それもそのはずで、オフにはチーム一の盛り上げ役であった登里享平、右SBでフル稼働を続けてきた山根視来らが悩みに悩んだ末に新たなチャレンジへ移籍を選択。

 指揮8年目の鬼木達監督の下、コーチングスタッフも大きく入れ替わっており、昨季果たせなかったリーグの覇権奪回へ、フレッシュな体制で挑むことになった。

 そのなか、海外挑戦する選手も増える現状で、川崎スタイルを体現できる存在として注目されるのが、14番を背負い、クラブの顔をとなった脇坂泰斗である。

 昨季はチームを上手く回すことを考えすぎて調子を落とした時期もあったが、個人にベクトルを向けてからは、中盤で抜群の存在感を示し続け、3年連続でのリーグベストイレブンにも選ばれた。その経験を生かしながら、今季考えているのが、チームでの振る舞い方だ。

「今年はどんどん味方に要求していければと考えています。やっぱりチーム全員で良くなっていきたいですし、厳しいところも言っていければなと思います」

 ただ、それは川崎スタイルを押し付けるのではなく、伝えられることを伝え、そのうえで各選手に思う存分、個性を発揮してもらいたいとの願いが込められている。それが川崎がさらに進化していく道なのだろう。脇坂の言動は頼もしい限りである。

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 もっとも登里や山根ら、これまでピッチ内外でも支え合ってきた戦友の移籍は、やはり寂しさを感じるという。今オフは海外挑戦を含め自身の去就もメディア上で注目された。だからこそ、様々な想いも湧き上がったようだ。

「向こうも言いづらいと言いますか、『ヤスはどうなの?』という感じもあったと思うんです。それでもお互いに決まった時は、各々で頑張ろうと。でも、やはりお互い寂しいという気持ちがありながらですよね。

 ミキくんは数少ない友だちだったので、いなくなったのは寂しいですし、ノボリくんもずっとお世話になってきた先輩で兄のように慕っていたので、寂しい。

 まだあまり実感は湧いていないです。影響が大きかった人なので、もしかしたら少し引きずるかもしれないですが、プラスに変えていくというか、他の選手全員でチームを盛り上げていく必要があると思います。今後は対戦を楽しみにしたいです」

 いわゆる怒涛のオフを経て、改めて脇坂の胸に浮かんだのは「フロンターレは家のような場所」との想いだという。

 悩み考えながら脇坂は2024年も進化を期す。具体的に強化したいのは守備面。さらなる躍動を楽しみにしたい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


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