「右足ならボレーします」細谷真大が結果を出せば、ライバルFWの競争心に火。バチバチしたムードも強いチームには必要だ

2024年01月13日 元川悦子

裏抜けから得点機を作れそうな雰囲気

初戦のベトナム戦で先発が有力視される細谷。「先制点が大事。貢献できたら」と意気込む。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 1月14日のアジアカップ初戦・ベトナム戦がいよいよ迫ってきた。2日前の12日は別メニューの三笘薫(ブライトン)、中山雄太(ハダースフィールド)を除く24人が全体練習に参加。冨安健洋(アーセナル)もシュート練習など対人を除くメニューをこなした。

 とはいえ、怪我を抱えている選手は初戦回避が確実。カタール入りして初めて取材対応した三笘も「26人枠になったので、こういう形の調整が可能になった」とコメント。初戦はコンディション万全のメンバーで挑むことになるはずだ。

 こうしたなか、注目の1トップは細谷真大(柏)がスタメンに名を連ねる可能性が高まった。9日に非公開で行なわれたヨルダンとのテストマッチにも先発したようで、「初戦は難しい部分があるので、チームとして良い方向に持っていきたいですし、先制点が大事になってくるので、そこで貢献できたらいいかなと思います」と、本人も臨戦態勢に入りつつある。

 ベトナムに関しては、伊藤洋輝(シュツットガルト)が「監督が(トルシエに)代わってコンパクトなサッカーをしてつないでくるイメージもある、ラインを高くして守備をするチームなので、そこの対策は十分に上手くできている」と語っていたことを考えると、細谷は裏抜けから得点機を作れそうな雰囲気が漂っている。
 
 相手は守備に人数をかけてくるだろうから、そこでターゲットになれれば、周囲にいる伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)ら他のアタッカー陣を活かすプレーも増えてくる。もちろん守備面や攻撃の組み立てなども重要だが、細谷が強調した通り、早い時間帯で点を取れれば、日本は順当に初戦白星を挙げられるはずだ。

「細谷にはシンデレラボーイになってほしい」と、2011年カタール大会決勝・オーストラリア戦で決勝弾を奪った李忠成が直々に期待を寄せている。その発言を彼に伝えると、「自分もそういう場面が来たら、しっかり結果として応えたい。ああいうクロスが上がってきたら、右足ならボレーします」と笑っていた。

 細谷がそのくらい大胆なアクションを起こせるなら、偉大な先輩のようなヒーローになることも十分可能。チーム最年少FWのブレイクは、森保一監督にとっても望むところに違いない。

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