伊藤涼太郎、元日タイ戦はスタメン抜擢も? アジアカップ参戦を見据え、何よりも目に見える結果が欲しい

2023年12月30日 元川悦子

先発となれば注目度は一気に高まる

代表初選出の伊藤涼。タイ戦でアピールできるか。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 2023年も残りわずか。24年の元日に国立でタイ戦を控える日本代表の調整も佳境を迎えている。

 試合2日前の30日も千葉県内でトレーニングを行なったが、帰国が遅れていた谷口彰悟(アル・ラーヤン)もようやくチームに合流。足の負傷を抱える伊藤洋輝(シュツットガルト)が全体練習をフルでこなし、浅野拓磨(ボーフム)も途中まで参加した。

 上田綺世(フェイエノールト)は依然として別メニューが続いており、野澤大志ブランドン(FC東京)も負傷してしまったが、チームの臨戦態勢は整いつつある。

 そんななか、やはり気になるのはタイ戦のメンバー。この日の実戦形式の練習を見る限りだと、GKは前川黛也(神戸)、4バックは毎熊誠矢(C大阪)、藤井陽也(名古屋)、町田浩樹(ユニオンSG)、森下龍矢(名古屋)、ボランチは田中碧(デュッセルドルフ)、佐野海舟(鹿島)、右MFに伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)、左MFに奥抜侃志(ニュルンベルク)、トップ下は伊藤涼太郎(シント=トロイデン)、FWは細谷真大(柏)というスタメンが有力視される。

 29日に合流したばかりの新戦力・伊藤涼が先発することになれば、注目度は一気に高まるだろう。

「勝負したいのは、やっぱりトップ下の10番のところ。そこで勝負したいです」と断言した彼は、攻撃のカギを握るポジションで違いを見せる自信が少なからずあるようだ。
 
「日本代表で自分と同じポジションの選手は、欧州5大リーグで活躍している人ばかり。そういう選手とは違う自分を見せられたほうがいい。ライン間で受けるところだったり、アイデアをアピールしたい」と、本人もストロングポイントを前面に押し出す構えだ。

「涼太郎の場合、パスが得意なので、良い動き出しをしてボールを出してもらえればいいかな」と右の伊東もイメージを膨らませていたが、アルビレックス新潟時代も現所属先でも組み立てやパスの供給役としての仕事が多いのは確かだ。

 しかしながら、今回の代表に帯同している中村憲剛ロールモデルコーチから「活かされるプレーも大事だよ」とアドバイスをもらったことで、受け手としての意識も高めていくつもりだ。

 ご存じの通り、トップ下はゴールも求められるポジションだが、ライバルとなる鎌田大地(ラツィオ)や久保建英(レアル・ソシエダ)も、代表ではどうしてもお膳立てに忙殺されがち。そこで伊藤涼がフィニッシャーとして異彩を放てば、代表の新たな強みをもたらせる。

 ボランチ、インサイドハーフもこなせる選手ということで、伊藤涼は鎌田と重なる部分が多い。それだけに、生き残りを目ざすなら、鎌田以上に得点の迫力を出せるところをアピールすることが肝要だ。

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