「楽しみ。英語が好きなんです」新潟からオランダへ羽ばたいた三戸舜介が見据える“飛躍への青写真”。「A代表を目ざすために決めた」【現地発】

2023年12月30日 中田徹

「ロッテルダムは住みやすそう。すぐ馴染めると思っています」

ロッテルダムでの入団会見に臨んだ三戸。さっそく年明けのスペイン合宿でチームに合流する。写真:中田徹

 三戸舜介がJ1ヤングプレーヤー賞に輝いたのは3週間前のこと。その直後にオランダリーグの古豪スパルタへの移籍が決まった彼は12月29日、ヘット・カステール(ホームスタジアム)に姿を現した。

 これまで三戸は年代別日本代表の一員として何度も国外遠征を経験してきた。

「だけど国外で生活するのは初めてなんで当然、不安はあります。しかし、どちらかというと楽しみですね。英語が好きなんです。話せないんですけど、中学・高校と(英語を)勉強するのが好きでした。新潟時代も(国外から来た選手たちと)積極的に自分からコミュニケーションを取っていました」

 アルビレックス新潟のチームメイトの中ではトーマス・デン(元PSV)、千葉和彦(元AGOVV)、高木善朗(元ユトレヒト)がオランダリーグでプレーした経験を持つ。

「2人(千葉、高木)が過ごした国なので、挨拶したときにはすごく喜んでくれました。『本当、頑張ってこいよ』と励ましの言葉をもらいました」

 スパルタ移籍が決まり、隣国ベルギーでプレーする本間至恩(クラブ・ブルージュ)、伊藤涼太郎(STVV)に連絡を取ると、「こっちで食事に行こう」という誘いのメッセージをもらったという。

「2人には新潟で仲良くしてもらっていました。そういう身近な存在が海外に行ったことが刺激になって『自分もやっぱり行きたい』と感じていました」

 この日はオランダリーグ中継局『ESPN』、ロッテルダム地方局『ライモント』も取材に駆けつけた。

「海外初挑戦として自分に合うと思って、このチームを選びました。一番得意なのは左ウイングですが、2列目だったらシャドーストライカーでも右ウイングでも、どこでも問題なくプレーすることができます。ドリブル、シュート、ゴール前の仕掛けだったり、攻撃の面でチームのスイッチになることが自分の武器。ロッテルダムは住みやすそう。綺麗な街だし、日本人もいるらしいので、すぐ馴染めると思っています」(オランダメディアに対する三戸)

 オランダリーグの印象について、三戸は「パスサッカーをメインとしているチームが多いと聞いています。新潟はそういうサッカースタイルだったので通じるところがあるんじゃないかなと思います」と語る。
 
 オランダは「育成の国」と呼ばれている。スパルタのジェラルド・ナイカンプTDは、日本で三戸にクラブの歴史、施設の説明、そして「ここをスパルタで伸ばしていこう」という話をしたという。「ここを伸ばす」とは具体的に何を指すのか?

「ゴール前での質のことです。そこは自分も課題にしています。『そこは、もっと伸びていくところだ』と言われました」

『フットボール・インターナショナル』誌は、三戸の長所として緩急まじえたドリブルとテクニックを挙げる一方、改善点としてフィニッシュワークとゴール前での判断を指摘している。そのことを伝えると、三戸は「はい。その理解で合っています」と答えた。

【PHOTO】右サイドから果敢に仕掛け、相手に脅威を与え続けたU-22日本代表の三戸舜介を特集!

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