［高校選手権１回戦］12月29日／市立船橋（千葉）４－１ 高川学園（山口）／柏の葉

　世代屈指のスピードとシュート技術。まさに圧巻の活躍だった。

　12月29日、高校選手権の１回戦で市立船橋と高川学園が対戦した。

　このゲームで特大のインパクトを残したのが、清水エスパルス内定の市立船橋のFW郡司璃来だ。前半６分にニアを打ち抜く強烈なシュートで先制点を奪うと、直後の同10分に主将の太田隼剛から託されたPKを落ち着いて沈め、早くも２ゴールを記録した。

　さらに３－１で迎えた後半21分、試合を決定づける４点目を叩き込んだのは、やはり背番号10だった。ボランチの位置から左サイドに流れた太田のクロスに対し、巧みな動きでマークを外して頭で合わせ、ハットトリックを達成。エースの風格を感じさせるパフォーマンスだった。

　試合後、郡司が取材に応じ、試合を次のように振り返った。

「最近の調子の良さがハットトリックという結果で表われたので、良かったです。緊張していましたが、自分に負けることなく戦えました。自分たちの戦いができれば市船は絶対に強いと思っていますし、そう信じたからこそ落ち着いてやれたのかなと」
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　持ち前のスピードはもちろん、特に目を引いたのがシュート技術の高さだ。プレミアリーグEASTでも13得点を挙げたストライカーが決定力を飛躍的に伸ばした背景には、血のにじむような努力があるという。

「誰よりも長く自主練（シュート）をしている自信があります。『自主習をするな』と監督やコーチに止められても何本かは蹴りに行って、そこからまた止められるまではトレーニングしています」

　続く２回戦、市立船橋は12月31に帝京長岡と対戦する。郡司は大晦日に行なわれる一戦でも持ち前の得点力を発揮できるか。

「このままの勢いで、次の試合もチームを勝たせる得点を決めたい。もちろん得点王も狙っていますし、日本一になって、エスパルスに合流したいですね」

　覚悟を持ってチームの攻撃を牽引する男に要注目だ。

取材・文●岩澤凪冴（サッカーダイジェスト編集部）

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