【移籍専門記者】チェルシー新監督内定のコンテ。ボヌッチ、ポグバ、ビダルなど教え子の獲得を望む

2016年03月08日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

自らの戦術をよく知る選手をベースに最短距離での勝利を狙う。

コンテ招聘内定前からチェルシーが追い掛けておりポグバ(左)は補強の目玉として、ボヌッチ(右)は退団がありえるテリーの後釜として狙う。(C)Getty Images

 Yes, we can! Yes, we Conte!
 
  29節を終えて10位と今シーズンは深刻な不振に喘いでいるチェルシーが、来シーズンすぐに勝利を取り戻すことは可能だろうか? もちろん可能だ。オーナーのロマン・アブラモビッチは、それを心の底から望んでいる。このロシア人は自分のチームがこんな状態に陥っていることに、耐えられないのだ。
 
 チェルシーがイングランド、そしてヨーロッパの覇権を取り戻すためには、新たな、そして有能な指揮官が必要だ。かねてから次期監督選びを進めていたアブラモビッチが白羽の矢を立てたのは、現イタリア代表監督のアントニオ・コンテだった。
 
 何度かコンタクトを取り合って互いの意向と構想を確かめ合い、最後には直接話し合った末の決断だ。すでに交渉は細部を詰めるだけの段階に入っている。2人の共通点? タイトルに対する強い渇望、そして自らが他の誰かよりも劣っていることを許せない、敗北に対するアレルギーとでも言うべき強烈なメンタリティーだ。
 
 すでに夏に向けたメルカート構想もスタートしている。コンテの頭の中には、2011年から3年間に渡って指揮したユベントスの黒と白のストライプがまたたいているようだ。最終ラインにはレオナルド・ボヌッチ、そして中盤にはポール・ポグバとアルトゥーロ・ビダル(元ユーベ/現バイエルン)の獲得を望んでいる。

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 それだけではない。ラジャ・ナインゴラン(ローマ)は、ユーベ時代のコンテが狙っていた1人。さらに、そのリストにはファン・ギジェルモ・クアドラードの名前も常にあった。後者に関しては話が簡単だ。現在はユーベに貸し出し中のため、シーズン終了とともにレンタルバックさせればオッケーなのだから。
 
 確実に最短距離で勝利を狙うために、自らの戦術と思想をよく知る選手に的を絞って各セクションを補強しようというのが、コンテの考えだ。アブラモビッチもそれに賛同している。
 
 Yes, we Conte!
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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