【日本代表】五輪予選を振り返った遠藤航が「満足できる大会ではなかった」と語った真意とは?

2016年03月08日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「A代表のなかでは、まだまだボーダーラインの選手」(遠藤)。

U-23代表で主軸を担うとともに、A代表にも継続的に招集されている遠藤。それでも本人は「ボーダーラインの選手」ととらえている。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 3月7日、千葉県内で日本代表候補トレーニングキャンプ(7日~9日)が始まった。負傷で辞退した六反勇治(仙台)を除く国内組のメンバーたち(金崎は別メニュー調整)は、約2時間弱行なわれた練習メニューを消化。浦和に移籍後、初のA代表招集となった遠藤航も精力的な動きを見せるなど、昨日戦ったリーグ戦(対磐田)の疲れを微塵も感じなかった。
 
【PHOTOギャラリー|代表24人の顔ぶれ】

 そんな遠藤に練習後、取材記者からこんな質問が飛んだ。
 
――アジアの頂点に立って、自信もついたのでは?――
 
 1月中旬から2月頭に行なわれたリオ五輪アジア最終予選では、主将としてチームを牽引。本大会出場権獲得にも貢献したパフォーマンスへの評価は高く、その自信を携えて参加する今回はどのような心境でA代表に合流したのか――。
 
 それなりの答が返ってくるかと思いきや、その言葉は意外とあっさりしたものだった。
 
「そうでもないです。チームとしての戦い方には自信が持てたけれど、個人的にはそんなに満足した大会ではなかったので」
 
 これは決して斜に構えた答でもなく、その言葉の真意としてはおそらく、「さらに上を目指さなければ、成長はない」との想いから出たものだろう。
 
 昨年8月の東アジアカップでA代表初招集を受けた後、右肩上がりに成長を続け、今最も伸び盛りの選手であることに疑いはない。近い将来、A代表の主軸を担う存在との期待もあるが、「自分はまだまだボーダーラインの選手」(遠藤)と言うように、現在地からさらに這い上がる必要があるととらえている。
 
「僕を含め、今回リオ五輪代表メンバーが何人か招集されましたけど、こうやってこの環境に身を置いていくことが大事。レベルの高い選手たちはたくさんいますけど、若い世代がどんどんそれを越えていかないといけない」
 
 直近のターゲットは今年7月のリオ五輪本大会に向かれるだろうが、そこで終わりではなく、その視線はさらに先を見据えている。「今までやっていたことをしっかり積み上げて、A代表に付いて行けるようにやっていくだけ。そのために自分の持ち味を活かしながら、やるべきことをやっていきたい」
 
 U-23代表の主軸としてプレーするだけに止まらず、A代表でも着実に成長を遂げられるよう、遠藤はその歩みを進めていく覚悟だ。
 
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事