【大宮】開幕2連勝で首位! “堅守多攻”で順風満帆の船出

2016年03月07日 土地将靖

次節からのG大阪、広島戦が序盤戦のヤマ場に。

大宮の最終ラインを統率するキャプテンの菊地(2番)。2試合を終えていまだ無失点と粘り強い守備が光る。写真:田中研治

 クラブ史上初のJ1開幕2連勝を達成。開幕直後の2節を終えたばかりではあるが、順位表の一番上に立った。2年ぶりのJ1の舞台で、順風満帆の船出を果たしたと言えよう。
 
 昨シーズンよりクラブが掲げる「堅守多攻」の「堅守」はJ1でも十分に通用している。前節FC東京戦ほどではなかったものの、この日も柏に4:6の割合でボールを支配された。シュート数でも6対11と圧倒されたが、実は決定的な場面はそれほど多くはなかった。
 
 試合序盤は裏を取られることが多かったサイドも、渋谷監督が「奪いに行くタイミングが少し速い。早いタイミングで守備に行くと、スペースを空けて相手に突かれてしまうと、先制点の後に選手たちに伝え」修正。攻守で舵を取る岩上は、「外でやらせて、中に来てもうまく潰せていたのでそんなに怖くなかった。僕とヨコさん(横山)、キクさん(菊地)、コウモさん(河本)で四角形を作れている」と強固な守備ブロック構築に自信を見せる。
 
 最後のクロス対応となれば、高さに強みを持つ菊地、河本が撥ね返す。前線の選手も含めた大宮の守備意識は、試合終了の笛が鳴るまで途切れることはなかった。
 
 
 一方で「多攻」はどうか。前述の支配率からも分かるように自分たちの時間帯は多くないなかでも、柏戦では今季初めてセットプレーからの得点で先制し、ムルジャのスーパープレーで追加点を挙げた。前半シュート3本で2得点と効率はいいが、それが目指すサッカーかと言えばそうではない。J2での圧倒的なボール支配の一翼を担っていた横山は、「もっと自分たちの握る時間を増やしていきたいという思いはある」と振り返る。
 
 もっとも、FC東京戦ではほとんど見られなかったカウンターの回数は増えたし、特に左サイドでは家長、泉澤に沼田が絡み、ボールを動かして崩しにかかる場面も見られるようになった。久しぶりのJ1のスピードに面食らっている部分もあったのだろうが、少しずつでも自分たちのプレーが出せるようになってきているようだ。
 
 だからこそ、次節からのG大阪、広島との2連戦が大きな試金石になる。J1トップクラスに対し、これまで築き上げてきたものが通用するのか、それとも打ちのめされるのか。今シーズンのチームの行方をも左右しかねない大きな2連戦だけに、注目したい。
 
取材・文:土地将靖(フリーライター)
 
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