10試合ぶりの黒星でミランのCL行きに暗雲……。本田は二度の決定機を決められず途中交代

2016年03月07日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

ミランはパスミスや連携ミスを繰り返して……。

サッスオーロ対ミラン戦の結果&フォーメーション。

 現地時間3月6日のセリエA28節、ミランが敵地マペイ・スタジアム=チッタ・デル・トリコローレでサッスオーロに0-2で敗れた。
 
 ミランは出場停止のアバーテの代わりにデ・シリオが右SBに入り、怪我のモントリーボとニアングの代役にはセントラルMFにベルトラッチ、FWにバロテッリを起用。本田は公式戦15試合連続のスタメン出場を果たした。
 
 最初の決定機はミラン。7分、ボナベントゥーラのミドルシュートを敵GKコンシーリがキャッチミスしたところに、フリーだった本田が詰める。しかしシュートは、何とか身体を投げたしてきたGKにブロックされた。その1分後にもバッカのスルーパスに走り込んだ本田が右足でフィニッシュしたが、これも再びコンシーリにセーブされた。
 
 その後もミランは試合の主導権を握り、23分にはクツカが惜しいミドル。しかし、先制点を奪ったのはサッスオーロだった。27分、ベラルディが右サイドのCKからグラウンダーの強いパスを供給すると、サンソーネがスルーし、後方からペナルティーエリア手前に走り込んだダンカンがダイレクトで左足を一閃。強烈なシュートはゴールマウス右上の隅に飛び、ネットに突き刺さった。
 
 なんとか1点を返したいミランだが、なかなか連携が噛み合わず決定機を作れない。逆に40分にはサンソーネ、42分にはベラルディにあわやゴールのシュートを許し、44分にもサパタのありえないパスミスからサンソーネにペナルティーエリアに侵入されるなど、ヒヤリとする場面が続く。結局、このままサッスオーロの1点リードでハーフタイムに突入した。
 
 後半も素早いプレスから鋭利なカウンターを繰り出すサッスオーロがペースを握り、52分にはベラルディがペナルティーエリア手前右サイドからシュート。しかしこれは、GKドンナルンマのビッグセーブに防がれた。
 
 55分、流れを変えたいミランはバロテッリに代えてメネーズを投入。5日前のコッパ・イタリア準決勝セカンドレグで2ゴールを挙げたフランス人アタッカーの打開力に望みを託した。
 
 それでもミランはそのメネーズを含めて軽率なパスミスや連携ミスを繰り返し、なかなか反撃の糸口を掴めない。ミハイロビッチ監督は69分、サパタを下げてビルドアップ能力に優れたロマニョーリを送り込み、最終ラインからの組み立てを強化した。
 
 しかし72分には、サッスオーロに追加点を許してしまう。右サイドからヴルサリコが上げたクロスをドゥフレルがスルーし、これをサンソーネに右足で叩き込まれた。クロスの直前にベルトラッチがビオンディーニに腹を蹴られて倒れていたが、レフェリーは見逃す。これに激怒して暴言を吐いたミハイロビッチ監督は、退席処分を命じられた。
 
 77分にはドゥフレルが2枚目のイエローカードを食らって退場処分を受け、数的優位に立ったミランは82分、後半に入ってややキレが落ちてきた本田を下げてボアテングをピッチに送り出す。しかし、そのまま反撃らしい反撃を見せられぬまま、0-2であっさり敗れ去った。
 
 ここ数試合とは打って変わって、人もボールも動かなかったうえ、闘争心も感じられなかったミランは、1月6日のボローニャ戦以来となる黒星を喫して、セリエA無敗記録は9試合でストップ。6位という順位こそ変わらないが、3位ローマの勝点差は9まで広がった。あと10試合を残すため可能性は消えていないが、目標のチャンピオンズ・リーグ出場権獲得に向けて手痛い敗戦だ。
 
文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
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