「本当に情けない」PK失敗の瞬間、登里享平の頭をよぎったのは?「外した自分が何言うてんねんって...」

2023年12月10日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

PK戦は異例の展開に

登里がPK失敗を振り返った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[天皇杯決勝]川崎 0(8PK7)0 柏/12月9日/国立競技場

 川崎フロンターレは12月10日、天皇杯決勝で柏レイソルと対戦。0-0のまま延長戦を含めた120分間を終え、異例の10人目までもつれ込んだPK戦を制し、優勝を果たした。

 PK戦はまさに死闘だった。5人目までで両チーム1人ずつが失敗し、4-4でサドンデスに突入。そして6人目のキッカーを務めた登里享平のシュートは、相手GK松本健太に好セーブで阻まれた。

 しかし柏の6人目も失敗。そして7-7のタイスコアのまま迎えた10人目で、GKチョン・ソンリョンが決めると、その守護神が直後に松本のPKをストップし、歓喜の瞬間を迎えた。

 登里は「決める気持ちでしかなかったですし、外した時にいろいろ考えはしました」とPKを失敗した瞬間やその後の感情を振り返る。
【動画】10人目までもつれた緊迫のPK戦
「落ち着いていましたけど外してしまったので、長くチームに在籍している自分が、後輩やタイトルを経験していない選手に優勝を味わってもらいたいなかで、結局自分が外したので、本当に情けないというか、本当に助けられたというか。(優勝が決まった瞬間は)ほっとした気持ちと、いろんなところに感謝がよぎりました」

 今年で15年目と、チームで最も在籍期間が長いベテランとして、しっかりと決め切る姿を見せられなかった点を悔やんだ登里。ただ、チームの支えもあって、今季初のタイトルを手にできた。

「PKになれば勝てるって思っていたので…、外した自分が何言うてんねんってなるんで嫌なんですけど(笑)。でも本当に勝てて良かったです」

 試合後、33歳サイドバックは笑顔で喜びを語った。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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