川崎通訳の“ゴンさん”が掲げた緑色のユニホーム。アルトゥール・マイアの命日に行なわれたジョホール戦で示したそれぞれの想い

2023年11月29日 本田健介(サッカーダイジェスト)

川崎はACLで5連勝

スタンドに飾られたアルトゥール・マイアの横断幕。サポーターの想いも込められた。(C)SOCCER DIGEST

[ACLグループステージ5節]川崎5-0ジョホール・ダルル ・タクジム/11月28日/等々力陸上競技場

 ACLのグループステージ第5戦としてホームでジョホール・ダルル・タクジムと対戦した川崎は、家長昭博、レアンドロ・ダミアン、マルシーニョ、小林悠、山根視来のゴールで5-0と勝利。初戦から無傷の5連勝を飾り、1試合を残して来年2月に行なわれるラウンド16進出を決めた。

 快勝の試合後、印象的なシーンも訪れた。

 選手たちとともに、サポーターへ挨拶をする際に"ゴンさん"の愛称で親しまれるポルトガル語通訳の中山和也さんが、緑色のユニホームを掲げていたのだ。

 それはかつて川崎でプレーし、今からちょうど7年前、2016年の11月28日にシャペコエンセの一員として飛行機事故に遭い、この世を去ったアルトゥール・マイアが当時、ブラジルで身に付けていたユニホームだった。

 中山通訳は改めて背景を語ってくれた。

「半年と短い期間でしたが、彼は独身だったので、車で送り迎えしたり、うちに呼んでバーベキューをやったりと、一緒に時間を過ごしました。

 ユニホームは、当時の婚約者と言いますか、次の年に(アルトゥール・マイヤと)結婚する予定だった方が送ってくださったんです。

 マイヤのお父さんと連絡を取っていた当時、(婚約者の方が)マイヤのユニホームをプレゼントすると言ってくれ、いただいたものでした」

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 この日、スタンドにはかつての10番の横断幕が飾られ、サポーターからは応援歌も捧げられた。

 当時、ともにプレーした小林悠、登里享平も想いを口にする。

「マイヤは素晴らしい人間で、もちろんプレーも上手かった。日本にいる時間は短かったですが、本当に謙虚で素晴らしい人間性で、それはすごく印象に残っています。何度も会話をしましたし、人として大好きな選手だったので、やっぱり悲しさはありますね。

 マイヤのことを忘れないことが大事だと思いますし、サポーターも忘れないでいてくれると思うので、フロンターレが強いことをマイヤに届けられるようにまだまだ頑張りたいです」(小林)

「これからもともにと言いますか、一緒に戦ってくれていると思うので、フロンターレの良い姿を見せ続けたいですし、そういうところが大事になってくると思います」(登里)

 川崎が5連勝を果たしたゲームには、様々な想いも込められていた。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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