驚異の34発で8連勝の森保ジャパン、“最大の武器”を隠したままアジアカップへ【担当記者コラム】

2023年11月23日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

久保と伊東でシリア戦の全ゴールに絡む

(左から)伊東と久保に、三笘を加えた2列目がアジアカップでついにベールを脱ぐ。(C)Getty Images

 11月21日、サウジアラビアのジッダで開催された2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の第2戦で、日本代表はシリアと対戦。5-0で大勝を飾っている。

 同じく5-0で一蹴したミャンマー戦では、主力の多くを温存。より難しい相手であるシリア戦に万全を期して臨み、ゴールラッシュを披露した。これで国際Aマッチ8連勝、その間34得点。凄まじい破壊力だ。

 攻撃を牽引したのが、トップ下の久保建英と右サイドハーフの伊東純也だった。前者は32分に均衡を破るミドルシュートを叩き込めば、FKから見事なフェイクで菅原由勢の4点目をお膳立て。後者はなんとそのレフティの先制点を含む4アシストをマークした。
【動画】「凄まじいゴラッソ」とスペイン紙も驚嘆! 久保建英の圧巻ミドル
 とりわけ、久保の絶妙なパスを受けた伊東のクロスを上田綺世が流し込んで決めたチームの3点目は、両アタッカーが息の合った連係を披露。10月のチュニジア戦でも、久保のアシストから伊東がネットを揺らしており、この好調なコンビは相手にとって恐怖だ。

 さらに、来年1月のアジアカップでは、左サイドに三笘薫が戻ってくるはずだ。第ニ次森保ジャパンの中軸として期待される26歳は、怪我のためにミャンマー戦を前に戦線を離脱。コンディションの問題で辞退した10月シリーズに続いて、ピッチに立てなかった。

 それまでも、久保と伊東が右サイドで交代して先発するケースが少なくなく、なかなかこのトリオが同時にピッチに立つ機会が訪れなかったのだ。
 
 クラブでは、いずれも崩しの切り札的存在で、厳しいマークを受ける。例えば、レアル・ソシエダでは、右サイドの久保がボールを持つと相手が集中するため、引き付けておいて逆サイドに展開してゴールを奪う、「右で作って左で仕留める」が最近では定番化している。

 だが、この3人が揃えば、マークを分散できる。もし、ボールサイドに寄ってきても、フリーになっている逆サイドに展開できれば、それこそ一気に決定機を創出できる。伊東が右、三笘が左で幅を持たせれば、久保は悠々とバイタルエリアを蹂躙するだろう。

 1月1日にタイ戦の招集はおそらく厳しいため、アジアカップでぶっつけ本番となるのはやや気掛かりだが、森保一監督のことだ。グループステージで徐々にフィットさせ、決勝トーナメント以降で力を発揮できるように持っていくだろう。

 期せずして、"最大の武器"を隠したまま、ビッグトーナメントに挑む。ベールを脱いだ2列目トリオの破壊力に、アジア諸国は震撼するはずだ。

文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「W杯優勝はもはや愚かな夢ではない」シリア粉砕で8連勝の森保ジャパンに中国驚嘆!「本田や香川の全盛期よりはるかに強い」「日本が負けたらニュースだ」
 

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