【なでしこ】新10番として意地の一撃。大儀見が語る今後の打開策とは?

2016年03月01日 小田智史(サッカーダイジェスト)

試合序盤は「(10番を着ける)緊張感があった」(大儀見)。

「負けられない」「ホーム開催」「背番号10」――。オーストラリア戦の大儀見には、3つのプレッシャーがかかっていた。実際、試合序盤は「(10番を着ける)緊張感があった」という。
 
 前線で起点になろうと身体を張るも、身長176センチのCBアランナ・ケネディに押し返され、すぐに囲まれてボールを奪われてしまう。本来はサポートに来た選手との連係で崩していくはずが、初戦の硬さからか中盤やサイドから果敢に押し上げる場面は少なく、序盤は"孤立無援"の状態が続いた。大儀見自身、ピッチの中でもどかしさを感じていた。
 
「積極性が足りないとはやっていても感じました。開始15~20分くらいはボール保持者に対するサポートが遅くて、自分のところでももっと早く来てほしいなと思うシーンはあった。(負けられない大会の試合で)ナーバスになりがちですけど、そこでいかにリスクを冒してサポートに行けるか、ボール保持者を追い越していけるかが鍵だと思います」
 
 25分、高さで勝るオーストラリアに先制を許すと、41分には横パスが審判に当たる不運に見舞われ、カウンターから2点目を決められてしまう。前半で2点ビハインドのまさかの展開に嫌なムードが漂ったが、相手の勢いを止めたのはやはりエースの大儀見だった。
 
 前半ロスタイム、右サイドで川澄→有吉とつないで中央に折り返し、阪口のシュートに相手DFよりも一歩前に入り込み、左足でコースを変えてネットを揺らした。「(相手の)GKとDFはクリアミスが多かったし、こういう予選では相手もペナリティエリアの中で慌てる」(大儀見)隙を逃さなかった。
 

次ページ「こういう緊張感のあるゲームこそ、リスクを冒して前に人数をかけないといけない」(大儀見)。

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