「持ってるぞ!」気鋭の右SB菅原由勢がキッカーに名乗り!ざわついた初ゴール直前の密談は?「建英とは長いので…」【現地発】

2023年11月22日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ここ最近、じゃあ誰なのって」

待望の代表初ゴールを挙げ、菅原の笑顔が弾ける。(C)Getty Images

 日本代表は11月21日、2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の第2戦で、シリア代表とサウジアラビアで対戦。5日前のミャンマー戦に続き、5-0で完勝した。

 初出場から3年。著しい成長を遂げている菅原由勢が、待望の瞬間を迎えたのは、3-0で迎えた47分だ。

 ペナルティエリア手前でFKを獲得し、久保建英と何やら話し込む。やがて笛が鳴ると、久保が1タッチした後、右足を豪快に一閃。鋭いシュートをゴール右隅に突き刺し、A代表初ゴールをマークしてみせた。

 菅原は試合後、「すごくフィーリングも良かったし、自信があったので。それを結果で示せたのは良かった。セットプレーも今後、武器にしていかなきゃいけないなかで、もっと質を上げられる部分もありますけど、ああいう形で点が取れたのはすごく嬉しかったです」と手応え十分にコメント。ただ、謙虚な23歳は感謝を決して忘れない。

「このゴールは多分一生、僕自身の記憶に残る。これまで支えてくれた家族もそうだし、育ててくれた指導者の方も含めて、5対0のうちの1ですけど、これは僕の周りの方々にとっては非常に大きなゴール。本当に今まで関わってくれたすべての方に感謝しています」
【動画】久保が転がし、菅原がズドン! 何度でも見たい日本代表初ゴール
 FK直前、年度別代表から共闘する盟友との"密談"は、ファンや報道陣の間でも話題となった。

「直接蹴ってもいいねって話していたんですけど、壁も距離も結構あったし...その、壁じゃない選手が全然準備してなかったので、ずらして、もっとボールを真ん中にして、相手をずらしてからシュートでも全然行けるんじゃないみたいな話をしてて。

(具体的には)『ずらしても打てない?』みたいな感じで建英に言われたので、『確かにそれいけるね』って。彼とは長いので、タイミングは何も言わずとも合ったので。でも本当に、よくそういうアイデアを思いつくなと思うし、実行できたっていうとこはあるので、あれはすごく良かった。タケももちろん蹴りたかったと思うけど、あそこでずらして、本当に建英には感謝しています」

 日本代表で、全幅の信頼を寄せられるプレースキッカーが不在となって久しい。今後、一番手を目ざすうえで、イメージする選手はいるのか。

「あまりイメージしている選手はいないですけど、中村俊輔さんだったり、遠藤保仁さんだったり、素晴らしいプレースキッカーの方がいたので。やっぱここ最近、そういうプレースキッカーは『じゃあ誰なの?』って時に、これっていう選手はいなかったと思うので、そういうところに名乗りを上げる、『持ってるぞ』と示したいと思っていました。

 右足のキックには自信があるので、 いずれそうなっていけばいいなと思いますけど、まだまだ全然質も低いし、練習も必要だと感じているので。もうちょいというか、まだまだ練習しなきゃいけないですけど、いずれそれが武器になるようにはしたいなと思います」

 キッカーは俺だ!

 名乗りを上げた気鋭の右SBは、レジェンドが代表を離れて以降、長らく続く空白期間に終止符を打てるか。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

【PHOTO】日本代表のシリア戦出場16選手&監督の採点・寸評。スコアラーと指揮官に7点台の高評価。MOMは4Aの14番
 

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