【千葉】開幕戦での大逆転勝利の意味。今後の鍵を示唆するキャプテンの言葉

2016年02月29日 本田健介(サッカーダイジェスト)

昨季は1度だけだった逆転劇を開幕戦で演じる。

劇的な形で白星スタートを切り、サポーターと喜びをともにする千葉の選手たち。ロスタイムでの逆転にスタジアムは大いに沸いた。(C)J. LEAGUE PHOTOS

 ゴール前の混戦から長澤が右足を振り抜く。強烈なシュートがポストに当たりネットに吸い込まれた瞬間、スタジアムは歓喜に包まれた。
 
 J2の開幕戦、徳島をホームに迎えた千葉は59分に先制されたが、90+3分に交代出場の吉田が同点弾を奪うと、その2分後にはこちらも途中起用の長澤が決めて土壇場での逆転勝利を収めた。
 
 興奮が冷めやらぬピッチを後にした関塚監督は冷静に試合を振り返る。
 
「勝利できてホッとしています。プレシーズンで良い準備をして、開幕を迎えられたのは大きかったですが、そう簡単に(勝点3を)取らせてくれる戦いはないなと。ホームでの開幕ということもあり、我々には固さがあった。逆に徳島さんのほうがスムーズな入りをしていた。
 
 FKから失点して、メンバーを替えながらチーム全体で勝利を目指しました。そのなかで、交代で入った選手が結果を残してくれた。そういう意味では初戦を良い流れでモノにできたのは大きい。誰が出てもおかしくない状況で試合を迎え、勝利できたことでチームの士気も上がると思います。良い雰囲気を維持しながら、今日のような戦いを続けていきたいです」
 
 今オフ、千葉は23人を放出し、20人の新顔を迎える改革を断行した。それでも宮崎でのニューイヤーカップでは熊本、福岡、鹿島に3連勝。開幕直前のちばぎんカップでも柏に3-0で完勝し、絶好調でプレシーズンを走り抜けた。
 
 そして開幕戦での劇的な勝利――。内容的には課題が残ったが、昨季、逆転勝ちはわずか1度(7月の岐阜戦)だけだったチームにとって、初陣でいきなり劣勢を撥ね返す力を見せられたのは収穫と言える。
 
 2ボランチを組んだ富澤とアランダも「ポジティブな勝利。勝って終われたことはメンタル的にプラスになる。途中から入ってきた選手がギアを上げてくれた」(富澤)、「プレーをする者として勝つことがなによりも重要だったので嬉しい」(アランダ)と安堵の表情を見せた。
 

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