バーンリー戦でフル出場のアーセナル冨安健洋、英国人記者はどう見た? 失点関与の場面では「手も足も出なかった」【現地発】

2023年11月14日 スティーブ・マッケンジー

チームは3-1で勝利

バーンリー戦では右SBでプレーした冨安。(C)Getty Images

 11月も半ばに差し掛かり、ロンドンは寒くなってきた。11日にプレミアリーグ第12節・アーセナル対バーンリー戦の取材でエミレーツを訪れた。

 スタジアム入りし、メディアルームへ向かうと、中では大きな歓声が上がっていた。アーセナル戦の前に行なわれていた試合で、ウォルバーハンプトンがアーセナルの宿敵であるトッテナムから後半アディショナルタイムに2点を奪い、逆転勝ちを飾っていた。メディアの中にもアーセナルファンが多くいたようだった。

 ウルブスのサプライズに加え、もうひとつ驚きだったのは、アーセナルの冨安健洋がバーンリー戦で先発したことだ。バーンリーはリーグ戦で苦戦を強いられており、この試合の前までは下から2番目だった。
【動画】冨安はファウルだとアピール!1対1に負けて失点に絡んだシーン
 冨安は右SBでプレーしたため、ビルドアップ時には左SBのオレクサンドル・ジンチェンコが中盤に流れ込み、ボールを配給できた。

 しかし前半、アーセナルは非常に低調だった。彼らはミッドウィークにチャンピオンズリーグのセビージャ戦(2-0)を戦ったばかりで、プレミアリーグで言えば、判定が物議を醸したニューカッスル戦(0-1)での敗北から翌週の試合だ。

 前半アディショナルタイムにレアンドロ・トロサールのゴールで先制したが、54分には冨安が右サイドでルカ・コレオショに突破された流れから同点弾を許した。

 この場面で、最近は好調だった日本人は手も足も出なかった。しかし、その後にチームがすぐさま勝ち越しゴールを奪ったことで、彼のミスを少し隠してくれた。

 結局、アーセナルが3-1で勝利。フル出場を果たした冨安は"らしいプレー"をしていたと思う。チームにとって悪いプレーはしないが、何か特別なことをするわけでもない。彼がアーセナルに加入して以来、このようなパフォーマンスを何度も見てきた。それは決して批判ではなく、彼が信頼できるという意味だ。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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