J1自動昇格を逃した清水。17位水戸になぜ勝てなかったのか。選手たちが語る苦戦の理由「距離感も悪かった」「先に仕留める力が必要だった」

2023年11月13日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「悪い時のうちが出た」

清水は最終節で4位に転落。J1自動昇格を逃し、POに臨む。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第42節]水戸 1-1 清水/11月12日/ケーズデンキスタジアム水戸

 清水エスパルスは11月12日、J2第42節で水戸ホーリーホックと対戦。勝利すれば自力でJ1自動昇格を決められたが、1-1のドロー決着。先制を許すも、チアゴ・サンタナのゴールで同点においつく。ただ、逆転弾は奪えなかった。

 この結果、2位から4位に転落し、昇格プレーオフに回ることになった。

 相手は17位と下位に沈む水戸。なぜ勝てなかったのか。試合後に取材に応じた秋葉忠宏監督は、劣勢だった前半と優勢だった後半を対比し、「自分を含めて心が弱い」とメンタル面を理由の1つに挙げている。

 では、選手たちはどう感じていたのか。

 主将の鈴木義宜は、本来の出来ではなかったと振り返った。

「プレッシャーのかかった試合のなかで、思っていた以上に圧を感じてしまったのか。らしくないプレーというか、距離感も悪かったです。悪い時のうちが出ました」

 さらに、水戸の攻撃面にも言及した。

「相手が攻撃の時、ボールを出して、動いてなど、その動きを止めずに来ていました。それで後手後手というか、ボールを握られるシーンが多くなったなかで、逆に自分たちがボールを持っている時間を長くしたい時に、ミスが出たり。自分たちのペースを握れなかった」
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 左サイドで躍動し、T・サンタナの得点をアシストした山原怜音は、「まだすべてを整理できてるわけじゃないですけど」としたうえで、水戸の守備にてこずったと明かす。

「自分たちのボール回しに対し、水戸さんがかなり献身的に、ボールサイドへスライドする速さや運動量の多さが、すごく徹底されていた。自分たちが緊張というか、ボール回しもいつもと違ったようなところもあったと思いますけど、相手も素晴らしい守備をしてきました」

 ただ、「こういう試合って、すごいあるので。0-0で折り返したまでは、最低限、良い状況」として、攻勢に転じた後半で先に得点できなかった点を問題視した。

「ハーフタイムに修正し、後半で勝負するのは、自分たちとしても、別に悪くなかった。ただ、後半で先に仕留める力が必要だった」

 1年でのJ1復帰を、リーグ戦では決められなかった。それでも、昇格プレーオフを制すれば願いが叶う。

 鈴木は「この結果をしっかりと受け止めて、残り2つ勝てるように準備したいです」と意気込み、ファン・サポーターに「あと2つ、僕たちにはチャンスがあるので、そのチャンスをしっかり掴みたいし、その後押しをしていただけたらと思います」と呼びかけた。

 山原は「もう時間は戻らなくて切り替えるしかないので、切り替えます」と語り、「失敗から学ばないといけないので、おそらく、これ以上にプレッシャーがかかる試合が、あと2試合待っている。その状況で、前半の入りから、自分たちが勇気持って、前に前に自信を持ってプレーすることが大事」と気合を入れた。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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