2023年11月12日、東京Vが大宮とのアウェーゲームを２-０と制した。試合後、城福浩監督は次のように振り返った。

「人事を尽くして天命を待つ状況だったので、我々はやるべきことをやった。これまでやってきたことを選手たちは表現してくれたと思います。これ（リーグ戦３位）が42試合の結果なので、潔く受け入れて、これからもやってきたことをやるだけです。今日のようなサポーターと一緒に（昇格プレーオフを）ホームで戦えることが決まっているので、彼らとともにJ１に行きたいです」

　戦前、東京Vが３位に食い込むと予想する声は多くなかった。その点で、城福監督はこの若いチームをよくまとめたと言えるだろう。攻撃的なスタンスを貫きながらもレギュラーシーズンを今季J２最少失点で乗り切るなど、確かな進化が窺える。

　前半はかなり苦しんだ大宮戦も、後半に首尾よくゴールを重ねて勝利。勝負強くなった印象さえある。
 

　キャプテンの森田曰く「他会場の結果は耳に入れなかった」。

「自分たちの今までやってきたことをまずは出そうというチームの方針があったので、結果は聞かずにやっていました」

　まさに先制点の崩しが、進化の証であり勝負強さを見せた場面だった。

「ニアゾーンを取る動きやカウンターのところで走り切るところ、相手に走り勝つ。それらが出てゴールを決めることができたと思います」

　敗れた大宮のGK南も、東京Vの進化を肌で感じていた。

「最近スカウティングのビデオを見た中では（東京V）が一番強い印象でした。相当トランジションや強度のところは凄いなと。一周目でやった時より遥かにチームとして伸びていて、だからこの順位にいるんだなと思いました」

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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