「最大の危機だ!」中国女子サッカーの“急激な衰退”に母国メディアが警鐘!「監督更迭だけでは解決にならない」

2023年11月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

韓国戦前日には「アジア最優秀女子代表監督」に選ばれたが…

やはり初戦となった北朝鮮戦の敗北が大きく響いた。アジアカップ女王・中国はパリ五輪本大会に到達できず。(C)Getty Images

 まさかの結末に、中国サッカー界が揺れている。

 現地11月1日、中国・廈門で開催されていたパリ五輪女子アジア2次予選はB組の最終日を迎え、中国と韓国が雌雄を決した。
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 どちらも勝つしかない状況下で、結果は1-1のドロー。北朝鮮が2勝1分けの勝点7で最終予選への首位通過を決め、韓国は1勝2分けの無敗で2位に食い込んだものの、ベスト2位の座をC組のウズベキスタンに明け渡してしまう。中国にいたってはこの"死の組"をまさかの3位で終え、史上2度目となる五輪予選敗退の憂き目に遭った。

 中国メディア『捜狐体育』は「立て続けに3つの国際大会でまったく結果を出せなくなった中国女子サッカー。もはや危機的状況だ」と銘打ち、急激な衰退に警鐘を鳴らした。

 2021年東京五輪でのグループステージ惨敗を受けて、元中国女子代表選手で女子サッカー界を牽引してきた水慶霞(シュイ・チンシャ)監督が満を持して就任。すぐさまチームに闘争心を植えつけると、就任1年目の女子アジアカップ2022で見事チームを16年ぶりの優勝(史上最多9度目)へ導き、アジアでの復権を強く印象づけた。

 だが、『捜狐体育』は「彼女もまた同じだった」と断じる。「普通ならばチーム作りは2年目、3年目で強度が増して戦術も浸透する。それなのに女子代表はどんどん結果を出せなくなっていった。モチベーションや献身性、闘争心が時間の経過につれて低下してしまうのだ。これは中国の男子代表にも同じことが言える」と指摘した。
 
 選手たちに旧態依然とした走り込みを軸としたハードトレーニングを課し、クラブよりも代表チームでの活動を優先させる極端な拘束、さらには海外組への配慮の欠如や多すぎるコーチングスタッフによる現場の混乱など、「問題を挙げだしたらキリがない」状況だという。同メディアはこう続ける。

「今年に入って中国代表は目標をまるで達成できないでいる。8月の女子ワールドカップは本大会で初めてグループステージ敗退(1勝2敗)の屈辱を味わい、10月に行なわれた地元開催のアジア大会は準決勝で"2軍"の日本に3―4で敗れ、金メダルではなく銅メダルを手にしたのみ。そして今回の五輪予選は初戦で北朝鮮に敗れたのが大きく響き、勝てば問題なかった韓国戦を勝ち切れずに1勝1分け1敗。驚くことに最終予選にさえ進めなかった」

 そして、「完全に求心力を失った水慶霞は更迭すべきだ。しかし、それだけでは解決には至らない。中国サッカーには抜本的な改革が求められている」と、問題の根深さを糾弾した。韓国戦の前日、水慶霞監督はAFC(アジアサッカー連盟)が選ぶ2022年シーズンの「最優秀女子代表監督」に選出されたが、本国では厳しい立場に追い込まれている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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