「歴史的な夜に圧巻の活躍」52年前は欧州王者と英4部。名門アヤックス撃破に貢献した三笘薫をブライトン番記者が激賞!「スタジアムが大いに沸いた」プレーとは?【現地発】

2023年10月29日 リッチー・ミルズ

序盤からアヤックスの右サイドを強襲

ELのアヤックス戦で躍動した三笘。(C)Getty Images

 アヤックスに2-0と快勝したブライトンが、クラブ史上初となる欧州カップ戦での初勝利を記録。初出場のヨーロッパリーグ(EL)でグループリーグ突破の夢をつないだ。

 三笘薫のクリニカルな左ウィングからのプレーの"恩恵を受けた"ジョアオ・ペドロが本大会で3戦連続4得点目を決めて先制、後半にはアンス・ファティが追加点を挙げて勝利を掴んだ。

 ボール支配率は64パーセント、総シュート数は16本だったが、これらの数字以上にシーガルズ(ブライトンの愛称)がオランダの名門クラブを圧倒した。これで勝点を4に伸ばして、グループ首位のマルセイユに1ポイント差まで迫っている。

 そんな歴史的な夜に、攻撃の中心として圧巻の活躍したのが三笘だった。先週末マンチェスター・シティ戦での敗戦のうっ憤を払うべく、序盤からアヤックスの右サイドを強襲していった。

 前半6分。敵陣の深い位置でボールを持つと、コーナーフラッグ近くに追い込まれた。しかし敵の右サイドバック、アントン・ガーエイの一瞬の隙を突いて鮮やかなターンで抜き去っていく。ボックス内に侵入し、すかさずマイナスのパスを中央のペドロに送り込んだが、この絶好のボールをブラジル人フォワードは沈められなかった。

 アヤックス相手に、同クラブのレジェンドで、オランダが誇る伝説の名フットボーラーのヨアン・クライフの名前にちなんだ技、「クライフターン」を披露してスタジアムは大いに沸いた。
 
 その後も、対峙したデンマーク出身の20歳の有望株を苦しめ続ける。20分には、左サイドでボールを受け、ペナルティーエリア内に走りこんだジェームズ・ミルナーへ絶妙のタイミングでパス。だがミルナーのシュートは敵ゴールキーパー、ディアント・ラマジの正面に飛び、簡単にセーブされてしまう。

 直後の22分には、左サイドからカットインした三笘のシュートフェイント後のトラップが大きくなり、そのルーズボールを相手ミッドフィールダー、スティーブン・ベルハイスに拾われる。26歳の日本代表はボールを取り返しに行くが、ベルハイスを引っ掛けてファウルの判定。ここで珍しくイエローカードを受け、本人は納得いかない様子で顔を曇らせた。

 しかしその3分後。再びテクニカルなプレーでサポーターを喜ばせる。ブライトンのゴールキーパー、ジェイソン・スティールからロングフィードをワントラップで止めてすぐにドリブル。ボックス内にボールを入れたところに、走りこんだペドロが敵のディフェンダーに倒される。PKかと思われたが、ビデオ判定もなくそのままプレーは流された。
 

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