【U-22日本代表 採点・寸評|アメリカ戦】失点に関与したチェイスは厳しく評価。先発組で及第点は同点弾の松木ら3人

2023年10月19日 松尾祐希

攻守ともに課題が浮き彫りに

セットプレーから同点ゴールを挙げた松木。デュエルでも互角に戦い、守備面での貢献も高かった。写真:松尾祐希

[国際親善試合]U-22日本 1-4 U-22アメリカ/10月14日/フェニックス・ライジングFCスタジアム

 U-22日本代表は現地10月17日、国際親善試合でU-22アメリカ代表と対戦。開始6分に先制を許すも、35分にセットプレーから松木玖生のゴールで同点に。だが45分、57分、73分に失点。1-4の完敗を喫した。本稿では、現地の取材記者によるチームや選手、監督の採点・寸評をお届けする。

※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

【日本代表・総評】
採点「4.5」

 大岩ジャパン発足後、初の4失点&3点差負けを喫した。

序盤は苦しい内容だった。6分にチェイス・アンリのパスミスから失点。以降も攻め込まれて、なかなか立て直せない。パワーで圧倒され、中盤が機能不全に。こぼれ球をほとんど拾えず、パスを受けてもバタバタする展開に。

 それでも、15分過ぎから前半の終盤まではペースを掴み、前線から相手を追い込んで、良い位置でボールを奪うシーンが増加。しかし、カウンターのクオリティが低く、決定機を作り出せない。

 35分には、バングーナガンデ佳史扶の左CKをチェイスが競ったこぼれ球に、松木が反応して同点に追いついたが、前半終了間際に失点。カウンターから右サイドを破られて勝ち越し弾を許した。

 最終ラインの3人を入れ替えた後半も、プレスを上手くかける時間があった一方で、カウンターの質が低く、セカンドボールの回収もできない。西尾隆矢の投入でビルドアップは前半よりもスムーズになったが、攻撃のテンポを上げられず。選手交代で流れを変えようと試みたが、逆に2失点した。

 終わってみれば、4失点の大敗。良い時間帯に2点目を取り切れなかった点や、簡単に失点した守備陣の出来を含め、攻守ともに課題が浮き彫りになる結果となった。
 
【個人採点・寸評】
GK
1 佐々木雅士 5
最終盤に身体を張った連続セーブを見せたものの、試合を通じて安定感を欠く。所属クラブで出場機会を得られていない影響もあり、目測を誤るシーンや味方との連係不足で失点に絡んだ。

DF 
5 木村誠二 5
相手にプレッシャーをかけられると、ビルドアップが落ち着かないシーンが散見。余裕がないプレーが目立ち、縦パスを入れる回数は少なかった。空中戦でも競り負け、課題を残す結果に。

DF
15 畑 大雅 4.5(HT OUT)
先発起用に応えたかったが、攻守でゲームに入り切れず。攻撃では一列前の山田楓喜をサポートできず、オーバーラップを仕掛けてもタイミングが合わなかった。守備でも緩慢な対応で持ち前の身体能力を活かせず。

DF
17 バングーナガンデ佳史扶 5.5(HT OUT)
スピードを活かしたパワフルな攻め上がりで存在感を示したが、結果には結び付かず。収穫は三戸とのコンビネーション。三戸を良い距離感でサポートしつつ、タイミング良く前に出てチャンスに絡んだ。

DF
22 チェイス・アンリ 4.5(HT OUT)
期待を大きく裏切った。地に足がつかず、開始6分にはパスミスから失点に関与。その後も対応が後手に回り、フィジカルの強さを活かした守備を見せられなかった。ビルドアップも不安定で、さらなるレベルアップは必要不可欠だ。

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