なぜ菅原由勢は重用されるのか? 右SBでほぼレギュラー確定も「常に危機感を持ってプレーしている」

2023年10月16日 元川悦子

伊東との関係性は良好

チュニジア戦では先発濃厚の菅原。久保との縦関係は必見ポイントだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 9日からの10月シリーズも終盤に突入。13日のカナダ戦(4-1)を終え、17日のチュニジア戦の地・神戸に移動してきた日本代表は15日、試合会場のノエビアスタジアム神戸でトレーニングを実施。冒頭30分以外はメディアを締め出し、戦術確認などを行なった模様だ。

 カナダ戦で左足首を捻挫した中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)は、この日もホテルで治療に専念。チュニジア戦の出場はやはり厳しそうだ。11日から体調不良が続いた初招集の奥抜侃志(ニュルンベルク)は個別でランニングを実施。16日の全体練習からようやく合流できそうな雰囲気だ。

 しかしながら、離脱者続出の左サイドアタッカーを含め、攻撃陣の人材は不足気味。森保一監督は、何とかメンバーをやり繰りしなければならない状況だ。9月シリーズのトルコ戦同様、今回もスタメンを大幅に入れ替えるだろう。

 こうしたなか、右SBは比較的選手が揃っている。カナダ戦に先発した毎熊晟矢(C大阪)、途中出場した橋岡大樹(シント=トロイデン)に加え、チュニジア戦はスタメンが濃厚の菅原由勢(AZ)がいるからだ。

 伊藤洋輝(シュツットガルト)の離脱で左SBが手薄になっていることから、菅原の左起用の可能性もゼロではないとも言われるが、現体制発足後、最多の5試合で先発している菅原は、紛れもなく右のファーストチョイス。

 11月から2026年北中米ワールドカップのアジア2次予選がスタートすることを考えても、ここでしっかりと守備陣の連係などを確認しておきたいと、指揮官も考えるはずだ。
 
 菅原が重用される理由を分析すると、まずは縦関係を形成する選手の良さを引き出し、自らも生きることができる賢さと状況判断力が大きい。

 これまでの5試合では伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)と組むことが多かったが、経験が浅いとは思えないほど関係性が良好だった。

「純也君は縦に行ける選手。だからと言って、僕が中に居続けるわけでもなく、僕が中に行ったり、外を回ったりっていうシーンはいろいろありますし、バリエーションが増えているのかなと。他の選手ともピッチ内で同じ絵を描ければ、脅威になれると思います。

 アジア予選が始まれば、相手が引いてボックス付近に固まってくることも大いにある。そういうところで攻撃のアイデアをもっと持たないと苦労する。そこを突き詰め、質を上げられるようにしたいと思ってます」と、菅原は誰とでもスムーズな攻守を示せるようにしていく覚悟だ。

【PHOTO】日本代表のカナダ戦出場17選手&監督の採点・寸評。3人が7点台の高評価。MOMは2ゴールの17番

次ページ「より守備力のある内田篤人」の評価

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事