ルヴァン敗退に天を仰ぐ...マリノス主将・喜田拓也のタイトルとチームへの想い「歴史を知っている自分が表現すべき」

2023年10月16日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「18年も決勝まで行って湘南に跳ね返されて…」

どんなに劣勢な状況でも、キャプテンとして味方を鼓舞し、チームを引っ張り続ける喜田。(C)SOCCER DIGEST

 横浜F・マリノスは10月15日、敵地で戦った浦和レッズとのルヴァンカップ準決勝・第2戦を0-2で落とした。

 4日前に行なわれたホームでの第1戦を1-0で勝利した横浜はこの試合、引き分け以上で90分を戦い終えれば、決勝進出が決まる状況だった。

 しかし、攻守にインテンシティの高いプレーを見せる浦和に、序盤から押し込まれる時間が続いた。ボールをカットしても上手く前に運べず、パスや連係のミスも散見された。

 そしてスコアレスで迎えた63分と、1点ビハインドの90+1分にPKを与えると、どちらもアレクサンダー・ショルツに決められ、逆転負け。ベスト4敗退が決まった。
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 試合後、取材に応じた主将の喜田拓也は、「自分たちが誇りに思っているサポーターを、決勝の舞台に連れて行ってあげられなくて、悔しい気持ちでいっぱいです」と語った。

 また、「浦和は固いチームなので、アタッキングサードやペナルティエリアでのクオリティだったり、スピード感とかは必要になるだろうという想定はあった」と試合を振り返り、「そこをこじ開けられなかったクオリティもそうだし、迫力の部分で自分たちが足らなかった」と反省を口にした。

 87分に交代でピッチを退き、ベンチ前のテクニカルエリアで試合終了の笛を聞いた喜田は数秒間、その場で天を仰いだ。

 170センチと身体は決して大きくないが、その背中からは想像以上に大きなものを背負って試合に臨んだということが伝わってきた。どんな想いだったのかを訊くと、こう明かしてくれた。

「ルヴァンに関しては、このチームは長らく獲れていない。2018年も決勝まで行って湘南に跳ね返されて、個人的にもあの舞台を経験していますし、『何とかこのチームにタイトルを』という想いがあったので、その歴史を知っている自分が表現すべきだと思いました。

 だから今回も跳ね返されてしまったという想いと、何としてもこのチームを変えたいし、救いたいって想いがあります。それはひとりで背負うということではなく、このチームを愛していれば、そう考えるのは普通だし、この責任感を一人ひとりが持てれば、チームは変わっていくと思う。まずは自分がチームを何とかするって気持ちを持って引っ張っていきたい」

 改めて、「本当にタイトルにこだわってきたから悔しいけど、その想いをリーグにしっかりぶつけないといけない」と前を向いた喜田。リーグ戦とACLのタイトル獲得に向け、トリコロールのキャプテンがチームの先頭に立って走り続ける。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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