米遠征に緊急招集、U-22日本代表の19歳FW内野航太郎はインパクトを残せるか「ゴールが欲しい。死ぬ気で取りにいきたい」

2023年10月14日 松尾祐希

「年齢を感じさせない」と指揮官も評価

アメリカ遠征に臨むU-22日本代表に急遽追加招集された内野。写真:松尾祐希

 U-22日本代表の一員として、中国で開催されたアジア競技大会で4ゴールを奪った活躍は記憶に新しい。とりわけ、韓国との決勝戦(1−2)で決めた開始早々の一撃は強烈。コースを冷静に見極め、右足で流し込んで先制点を奪った。あれから6日。存在感を示したFWは再び日の丸を背負い、異国の地で戦う機会を得た。

 10月9日からアメリカのフェニックスで活動をしているU-22日本代表の活動に、13日から19歳のFW内野航太郎(筑波大/1年)が加わった。

 追加招集の連絡は突然だった。14日のU-22メキシコ戦に向けてトレーニングに励むなか、12日に藤尾翔太(町田)が負傷してしまう。その日のうちに離脱が決まり、スタッフ陣は今遠征に新たな選手を加えることを決断。Jクラブでプレーする選手が数名候補に上がっていたが、内野に白羽の矢が立った。

「ビザもすぐに下りたみたいで、12日の昼に連絡がきて夜に出発してくれと。準備をして夜にアメリカに向かいました」
 
 8日に中国から帰国してわずか4日。内野は、「筑波大でリーグ戦があったので、そこに向けて頑張ろう」としていた最中の招集で、慌ただしい状況だったが、「実はアジア競技大会の荷物を片付けていなくて、結構そのままになっていたんです(笑)。それをもう1回キャリーに詰め直しただけなので、準備の時間はそんなに掛からなかった」と明かした。

 現地には12日の夜に到着。時差ボケで4時間ほどしか睡眠がとれなかったものの、13日のトレーニングから元気な姿を見せた。

 大岩剛監督は内野を緊急招集した理由について、「本人もそうだし、筑波大学さんに対しても申し訳ない気持ちでいっぱい」と前置きしたうえでこう話す。

「彼は実際にアジア競技大会で素晴らしいパフォーマンスを見せたし、年齢を感じさせないような結果を出してくれた」

 指揮官は前々から、アジア競技大会に参加したメンバーからは招集しないと明言していた。しかし、今回は不測の事態。藤尾の離脱によってストライカーが1人しかいない状況に陥ったため、内野をアメリカに呼ぶ形になった。ただ、今回の招集は単なる穴埋めではない。結果を出したからこそのメンバー入りだ。

「ほかの選手からすれば呼ばないって言ったのにとなるかもしれないけど、良いメッセージになるとは思う」(大岩監督)
【PHOTO】U-22メキシコ&U-22アメリカと対戦!アメリカ遠征に臨むU-22日本代表のメンバーを一挙紹介!

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