「良いシュートを打てる選手が良いFWではない」上田綺世の「自分が持っている精一杯」との言葉を聞いて思い出した“鹿島時代のコメント”

2023年10月12日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「どんな形でも入れば同じゴール」

コンディションは「大丈夫」と話していた上田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2023年10月11日、日本代表の練習3日目から合流したひとりが上田綺世だ。ドイツ戦後に負傷離脱したが、本人曰く今は「大丈夫」。「プレーしていますし、リハビリもして復帰しているので、大丈夫です」と言っていた。

 今季加入したフェイエノールトでは10月4日のアトレティコ・マドリー戦でチャンピオンズリーグ・デビュー。「CLを経験して、また新しい自分の中での土台というのができた」のが収穫だが、怪我もあってクラブで十分な出場時間を得られていないのが今後の課題だという。

 自身のキャリアを考えた場合、「代表でもクラブでも常にアピールしないと良いキャリアを築けない」。だから、「どの試合も大事なゲームとして臨む」覚悟がある。

 10月の代表戦もつまり"勝負の場"となる。

「自分が持っている精一杯、100パーセント出し続けて、その中で新しい刺激を吸収していく。とにかく継続してベストを尽くすのが大事です」
 
 自分の持ち味を出し尽くす。そこにこだわらないと、日本代表として国際舞台を戦っていけない。そうした決意を語る上田の姿を見て、思い出されたのが鹿島時代に話していた"こだわり"だ。

「パサーのスペースや選手の癖に合わせたポジショニングを意識している。僕の場合、ポジショニングというのはボールを受ける場所ではなく、走り始める場所を指します。どこに走るかよりもどこから走るかが大事。どこに欲しいのか表現しやすい場所を意識しています」

 独自のポジショニングで勝負する上田は、シュートについても独特の感覚を持っていた。次も、鹿島時代のコメントである。

「良いシュートを打てる選手が良いFWではない。どんな形でも入れば同じゴール。結構そこは忘れがちですが、FWの本質の部分です。どんなシュートでも入れば良いという感覚を持つのが大事です」

 そうした意識を持ちつつ、成功体験、自信を積み上げて今の上田がいる。"継続"によって、さらなる高みにたどり着けるか。まずは10月の連戦でのパフォーマンスに期待したい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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