「めちゃくちゃ難しい」指導者1年目、柏U-18の染谷悠太コーチは試行錯誤の連続「選手が迷いなくプレーできるように」

2023年10月11日 志水麗鑑

どんなコーチング? 2人のCBが明かす

昨季に現役を退き、今季から柏のアカデミーで指導者の道を歩む染谷コーチ。「難しいんですけど、日々が充実していますよ」。写真:志水麗鑑

 10月9日に行なわれた高円宮杯U-18プレミアリーグEASTの17節、FC東京U-18に4-1で快勝した柏U-18において、CBコンビの池端翔夢と福島大雅が、ひと際存在感を放っていた。

 1ゴールを許したとはいえ、失点シーン以外では相手に目立ったチャンスを作らせていない。とりわけ後半のパフォーマンスが素晴らしく、FC東京U-18に打たれたシュートはわずか2本だった。

 池端は178センチ、福島は172センチながら、183センチのサイズを誇るFC東京U-18のFW山口太陽には1本もシュートを打たせていない。同リーグで9ゴールを積み重ね、得点ランキングで3位タイにつける相手FWをシャットアウトしたクレバーな守備対応を見て、現役時代にDFだった藤田優人コーチの指導が行き届いている成果なのだろうと感じた。

「私は全体のマネジメントをしているだけで、サッカーの細かいところを教えてくれているのは、染谷(悠太)コーチですよ。僕の手が届かないところを選手に強く指導してくれているので、非常に助かっています」

 藤田コーチはそう謙遜し、「今のチームが見せているパフォーマンスは染谷コーチのおかげ。彼は去年まで選手をやっていたとなると、選手もものすごく聞く耳を持ちます」と染谷コーチの貢献を語る。
 
 主にCBとしてJリーグ通算284試合に出場し、昨季に柏で現役を退いたばかりの指導者からのコーチングは、確かに選手に大きな影響をもたらしている。池端が染谷コーチへの感謝をこう述べていた。

「本職はボランチですが、怪我人が出た影響で今はセンターバックをやっているので、染谷さんの存在が本当にありがたくて。僕はサイズもないし、スピードもそこまでない。だからポジショニングや予測で相手より上回り、先にボールに触る、跳ね返す、マイボールにする。そういう準備の重要性は、染谷さんの指導から学ばせてもらっています」

 そして福島も、本職はボランチでCBにコンバートされているが、適応できているのは染谷コーチのおかげだと話す。

「身長が大きい選手に競り勝つのは難しいので、相手がトラップした瞬間を狙ってボールを奪いに行くのを意識するところは、染谷さんから教わったことです。また試合前日にも染谷さんから、1対1の対応方法、あとはリスク管理として、球際で潰しきる重要性とかも、結構細かく教わりました」

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