「聡くんや大雅くんたちみたいに...」湘南U-18のトップ昇格内定FW石井久継が明かす“目ざすべき先輩像”「夢を与える職業なので」

2023年10月10日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「プロが見に来てくれるとやる気が出る」

今季、トップチームの公式戦8試合に出場し、1ゴールを挙げている石井。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 10月8日、神奈川県U-18リーグの1部で戦う湘南ベルマーレU-18の試合に、トップチームに2種登録されているFW石井久継が出場した。

 相手は現在首位の日大藤沢高。2位の湘南U-18にとっては、優勝に近づくための重要な一戦だった。そんな試合に、石井ほどの実力者が招集されるのは当然だと思われるかもしれないが、石井は4月を最後にU-18のリーグ戦には出場していない。本人も以前、こう語っていた。

「2種登録ですけど、最近はトップチームの活動しかしていません。もちろん、ユースでも出られるように気持ちの準備はしておきたいですが、今はトップに集中しています」

 トップチームでの活動中心の生活を送るなかで、突然に出場したU-18でのゲームには、どんな経緯で呼ばれたのか。石井が舞台裏を明かしてくれた。

「前日にトップの練習試合があって、終わってから『明日はユースの試合に行ってくれ』と伝えられました。ハードでしたけど、サッカーが好きなので、体力的には全然大丈夫でした(笑)。練習に参加せず、いきなり試合に出たので、様子を伺いながら連係面で邪魔にならないように意識していました。勝てて良かったです」
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 石井のゴールもあり、試合は4-0で勝利。約半年ぶりにプレーするU-18チームの中でも流石の出来を見せた一戦には、トップチームの田中聡や畑大雅、鈴木淳之介、松村晟怜が観戦に訪れていた。下部組織のゲームを見に来てくれた先輩の姿に、石井は感銘を受けたという。

「聡くんや大雅くんたちの他に、スタッフや監督、サポーターの方も見に来てくれいました。見てもらえたり、気にしてくれていることに対して、チームのみんながすごく喜んでいました。ユースの人たちもトップの試合に応援に行ったりもしているので、上と下のそういったつながりが増えれば、もっとトップもU-18も団結力が生まれて、全体として良いチームになれるんじゃないかと感じました」

 石井は次のように続ける。

「来季からは僕もプロになりますが、聡くんや大雅くんたちみたいに試合も観に行きたいですし、練習にも顔を出したいですね。やっぱり、U-18の選手たちは、プロが見に来てくれるとやる気が出るし、嬉しいんです。夢を与える職業なので、僕もそうなっていきたいです」

 来季のトップ昇格が内定している石井も、選手として結果を出しつつ、育成年代の試合や練習への参加を通じてトップチームとU-18の架け橋となれるか。高校生FWの未来が非常に楽しみだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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