【移籍専門記者の裏話】バネガのインテル行きはすでに既成事実。争奪戦を制する鍵となったのはあのレジェンドの勧誘電話だ

2016年02月16日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

インテルのアルゼンチン人選手の系譜に名を連ねるか。

セビージャは契約延長を望み、マンチェスター・U、ミラン、ユベントスなども獲得を狙っているバネガ。しかし、夏にはインテルに移籍する運びとなりそうだ。(C)Getty Images

「もしもしエベル、インテルに来る気はないかい?」
 
 電話をかけたのは、インテル副会長でアルゼンチン・サッカー界のレジェンドでもあるハビエル・サネッティ。セビージャの地でこの電話を受けたエベル・バネガは、躊躇なくこう答えた。
 
「ええ、もちろん行きたいです」
 
 セビージャとの契約が今シーズンいっぱいで満了するバネガが、来シーズンからインテルでプレーすることは、もはや既成事実だ。両者はすでにあらゆる点で合意に達している。メディカルチェックの日程まで2月半ばに決まっているほどだ。
 
移籍専門記者によるインテルの強化部門解説
 
 アルゼンチン人選手にとって、インテルは昔から憧れのクラブのひとつだ。サネッティをはじめマティアス・アルメイダ(現グアダラハラ監督)、ガブリエル・バティストゥータ(現コロンのスポーツディレクター)、ファン・セバスティアン・ベロン(現エストゥディアンテス会長)、ディエゴ・シメオネ(現A・マドリー監督)、エステバン・カンビアッソ(現オリンピアコス)、エルナン・クレスポ(現モデナ監督)、ディエゴ・ミリート(現ラシン・クラブ)、ワルテル・サムエル(現バーゼル)など、多くの大物がネラッズーロのシャツに袖を通してきた。
 
 現在キャプテンを努めるマウロ・イカルディやロドリゴ・パラシオに続いて、バネガもその系譜に名を連ねることになりそうだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべてガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
 
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