21位→5位と快進撃!7連勝中のジェフ千葉に何が起きたのか? 小林慶行監督が求め続けた攻守の“際”、分岐点となった試合は?

2023年10月07日 赤沼圭子

一時は降格圏の21位に転落

今季から千葉を率いる小林監督。序盤は苦しんだが、7連勝を達成するなどチームを5位に導いている。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 2020年からの3シーズンのユン・ジョンファン体制では、最高位が21年の8位とJ1に手が届く成績を収められなかったジェフユナイテッド千葉。状況を変えるべく、今季から指揮を執っているのが、ヘッドコーチから昇格した小林慶行監督だ。

 指揮官は「当たり前のことを当たり前にやる」を徹底し、攻守両面で前へ、前へという姿勢を貫く攻撃サッカーを目ざす。しかし、守備重視ながらも守備組織を構築しきれず、攻撃の細部は選手任せだったユンサッカーからの脱却は簡単ではなかった。
 
 開幕当初は、前線からの激しいプレスである程度、守ることができたが、ここぞの場面で『1点』を取れない決定力不足を露呈。攻守のバランスと機能性を考え、適切な立ち位置を取るため、開幕当初は3-5-2だったシステムを、第5節・大分トリニータ戦から4-4-2(現在は4-5-1)に変更するも、勝てない試合が続いた。

 そんな千葉に衝撃を与えたのが、J2第9節の藤枝MYFC戦(1-3)だった。千葉のプレスを上手くかわし、パスをつないで得点を重ねる。J3からの昇格組である藤枝のチームとしての完成度に、大きな力の差を見せつけられた。

 順位が21位まで転落した千葉は、改めて攻守の切り替えの速さと質の向上に取り組む。その一方で、前から強度の高いプレスをかけるだけでなく、体力の消耗の激しい夏場を考え、状況に応じて自陣でブロックを作るなど、次第に臨機応変な守備を身に付けた。その効果で無失点勝利は増えたものの、安定感を欠いて連勝はできず、上位に浮上できなかった。

 千葉にとってターニングポイントになったのが、第20節の水戸ホーリーホック戦だった。小林監督は攻守での『際』の勝負に勝つことにこだわっていたが、水戸戦ではそれをやりきれずに1-4の完敗。リーグの前半戦が終わるなかでの内容に、指揮官は自身を含め、変化を求めた。

【PHOTO】苦境に立つ選手たちを奮い立たせ勝利を呼び込んだジェフユナイテッド千葉サポーター

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