松木玖生のA代表入りはある? ボランチで勝負するなら遠藤航や守田英正の領域に近づかないと…

2023年10月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

量は十分。足りないのは…

運動量豊富にピッチを駆け回る松木。量の部分は十分だ。写真:福冨倖希

 ドイツ、トルコとの戦いを経て森保ジャパンで気になるのが今後のメンバー構成。選手層に厚みを加える意味ではアンダー世代の日本代表から誰が抜擢されるかが気になるが、その候補のひとりとして期待されているのがFC東京の松木玖生だ。

 プロ2年目の今季開幕当初は4-1-2-3システムのインサイドハーフを任されると、シーズン途中からは4-2-3-1システムのボランチを担当。アルベル監督からクラモフスキー監督になってもポジションは変わらず、10月1日のG大阪戦では原川とボランチコンビを組んだ。

 ボランチの松木は運動量を生かしてよく走る。ルーキーイヤーから守備力は確実に向上しており、ドリブルで簡単にかわされるシーンはかなり減った印象だ。球際の競り合いに強く、予測も素晴らしく、"回収者"としてFC東京では十分な存在感を示している。

 ただ、データで見ると、実は際立った数字を残していない。9月29日現在で松木のトップ3スタッツは、「1試合平均インターセプト0.3(リーグ18位)」、「1試合平均チャンスクリエイト数1.7(リーグ21位)」、アシスト総数3(リーグ29位)」となっており、リーグトップ10に入るポジティブなスタッツがないのだ(Jリーグの公式ホームページ参照)。
 
 そこから判断すると、松木に足りないのは"質"ということか。  

 量の部分では十分との印象がある。ピッチの広範囲をカバーしつつ、上下動を繰り返せるタフさは特筆に値する。10月1日のG大阪戦でもボールを回収するだけでなく、ゴール前まで顔を出してフィニッシュに絡もうとしていた。

 しかし、今季ここまでリーグ戦でわずか1ゴールという事実も示すように、仕掛けや最終局面でのクオリティは物足りない。振り返れば、今年のU-20ワールドカップでも大事な局面でのトラップミスが目に付くなどクオリティ不足を露呈した感がある。

 このままボランチで勝負するなら、遠藤や守田の領域に近づかないとA代表入りは叶えられないのではないか。

 もっとも、先のU-22日本代表活動では存在感を示していただけに、むしろここからが楽しみなタレント。20歳の若武者の伸びしろに期待したい。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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