「久保建英のトップ下をメインにするとちょっとまずい」熟練記者が“良い意味で”そう主張する理由は?「いわゆる王様システム」

2023年09月27日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「なかなかいなかったタイプのトップ下」

トルコ戦で大きな違いを作り出した久保。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 欧州遠征のドイツ戦と比べてトルコ戦(日本が4−2と勝利)は攻撃面がだいぶ違ったと、そう説明したのが熟練記者の河治良幸だ。

【動画】熟練記者のトルコ戦総括

「ドイツ戦はまず左の三笘選手に勝負させて、そこに守田選手が絡むとかしてドイツのラインを下げながら、右サイドの伊東選手や菅原選手、さらにサイドに流れる鎌田選手で仕留めるみたいな形でした。メカニズムがチームとしてすごく共有されている印象でした。

一方でトルコ戦は"チーム久保感"がありました。久保選手がボールを持って、そこを起点に何かが始まるみたいな。いわゆる久保建英・王様システムでした」

 基本的に久保がボールを触り、それに反応する形で右ウイングの堂安や左サイドの中村敬が前に出て、CFの古橋が動き出す。そうしたパターンがあったというのが、河治氏の見解だ。

 久保のトップ下でのプレーについて、河治氏の評価は次のとおりだった。

「久保選手は頭がいいので、戦術的な動きもできます。(ただ、トルコ戦では)自分がボールを持って、そこから起点になる。これまで(日本代表で)なかなかいなかったタイプのトップ下になってきています。すごく可能性を感じたと同時に、久保選手のトップ下をメインにするとちょっとまずいなと」
 
 なぜ、まずいのか。河治氏の答はこうだ。

「久保選手ありきのチームになってしまうので。右ウイングのジョーカーにしておきながら、オプションでトップ下という感じでやっていかないとチームマネジメントが難しくなると思います。

久保選手のトップ下をスタンダードにするなら、トップ下の候補を考えないといけない。伊藤涼太郎選手だったり、ある種、王様プレーができる選手を基準に選ぶ必要があります」

 現代表で久保のようなプレーをトップ下でできる選手は…。久保ありきのチームになってしまうと、彼に何かしらアクシデントがあった場合、メカニズムが壊れる。だから、あくまで「久保・トップ下」は強力なオプションのひとつのほうがいい。

「良い意味で、(久保のトップ下は)ベースにしないほうがいいです」

 それが河治氏の考えだった。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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