抜群の存在感と貢献度を示した武藤! マインツが敵地で連勝飾る――ハノーファー 0-1 マインツ

2016年02月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

泥沼6連敗のハノーファー…酒井は孤軍奮闘、山口は前半交代。

(C) SOCCER DIGEST

 2月6日(現地時間)、ブンデスリーガ第20節が行なわれ、5連敗中の最下位ハノーファーが、ホームに8位のマインツを迎えた。
 
 ハノーファーは酒井宏、山口、マインツは武藤と、3人の日本人選手がスタメンに名を連ねた一戦は、試合開始から互いに厳しいプレッシャーをかけ合い、狭い局面でのボールの奪い合いとなった。
 
 そんななかでペースを握ったのは、やはり順位で大きく上を行くマインツ。運動量で上回り、相手のマークを受けながらもボールを繋いでいく。
 
 なかでも効果的だったのは、ワントップに入った武藤の動きだ。攻撃では味方がボールを得るやいなや、素早く動き出してボールを呼び込み、また的確な動きで味方にスペースとプレーの選択肢を与える。
 
 守りでは、執拗なチェイシングで相手DFから考える時間とプレーの自由を奪い、最後尾からの攻撃の組み立てを許さない。また時には、ポジションを下げて相手からボールを奪い、そこからボールを持ち込んだり、味方に好パスを出したりと、その貢献度は抜群に高かった。
 
 先制点は24分、その武藤がビュスマンからのパスを受けて左サイドからペナルティエリアに侵入したところから生まれる。
 
 彼がマイナスに折り返すと、これを受けたクレメンスが中央へ。反応したハイロは下がりながら右足でボールをゴール左隅に流し込んだ。ハノーファーDF陣はゴール前に人数はいたものの、反応が遅れて痛恨の失点を喫した。
 
 ホームチームは運動量で相手に負け、プレーもチグハグ。とりわけ、加入2試合目の山口はまだチームに溶け込めていないのが誰の目にも明らかで、攻守で不安定なプレーに終始し、結局、35分で交代を命じられることとなった。
 
 後半も主導権はアウェーチームが握る。武藤の動きも良く、容易に相手ゴールに近づいていった。ただ、ハノーファーも前半に比べるとボールを相手陣内で保持するようになり、前半は35分が最初だったシュート(そしてこれ1本のみ)を、後半序盤から放つことができる。
 
 60分を過ぎる頃から、互いに中盤での守備が甘くなったことから、オープンな展開となった。チャンスの数はマインツが多いものの、ホームチームも徐々にゴールの予感を見出していく。
 
 70分には、酒井のクロスを交代出場のソビエフが頭で落とすと、H・アウメイダにこの試合最大のチャンスが訪れた。しかし彼のシュートはわずかに枠を外れ、絶好の同点機を活かすことはできなかった。
 
 存在感を十分に発揮した武藤は71分でお役御免。1点を守ることに主眼を置きながら、その後もカウンターでチャンスを得たマインツは、アディショナルタイムの混戦でのピンチも凌ぎ切ってミッションを完遂し、連勝を飾った。
 
 対するハノーファーは、ホームの観客の前で泥沼の6連敗。スタジアムはブーイングに包まれた。元気のないチームのなかで、気迫溢れる力強いプレーで何度もピンチを防いだ酒井の努力も報われなかった。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事