【川崎】瀬川祐輔が安堵した古巣・湘南戦での勝利。ウイングバックでの献身ぶりはいぶし銀だった

2023年09月25日 本田健介(サッカーダイジェスト)

チームに2点目をもたらすPKも獲得

柏時代からの盟友、大南と写真に収まる。瀬川(写真右)はウイングバックとして勝利に貢献した。写真:鈴木颯太朗

[J1第28節]湘南 0-2 川崎/9月24日/国立競技場

 湘南のホーム開催として国立競技場で行なわれた一戦、古巣への特別な感情を抱えて戦っていたひとりが瀬川祐輔だ。

 アウェー・マレーシアでのACL初戦(ジョホール・ダルル・タクジムに1-0で勝利)から中4日、川崎は従来の4-3-3ではなく3-5-2を選択したなか、左ウイングバックを任せられたのが瀬川だった。

「走る部分に関しては僕のベースなので、まったく問題ないですし、川崎に足りない面と言いますか、もっとやっても良いと思うのは声の部分。そこは意識してやっていますし、ウイングバックを気持ちよくプレーできたかなと思います。ミスも多かったですが、守備の面では球際もいけていましたし、チームとして守ることができたので、収穫と課題を次につなげられるゲームになったと思います」

 そう振り返る瀬川は序盤は左サイド、20分にDF佐々木旭が負傷交代した後は、右ウイングバックに移り攻守に幅広く貢献。39分には相手ペナルティエリア内でL・ダミアンからのヒールでのパスを受けると、VAR判定を経てPKを獲得した。

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 4-3-3ではウイングを主戦場とするアタッカーながら、ここまで攻守に気の利いたプレーをできる選手は、そういないだろう。

 今季加入した川崎ではなかなか先発を掴めず出場時間が限られるなかでも貴重なゴールをあげてきた。それでも開幕から約6か月後の8月12日、23節・神戸戦でリーグ初スタメンを掴んでから、勝利が遠かった点は気にしていたようだ。苦笑いを浮かべる。

「スタメンで出て初めて勝てて良かったです。そこは安心しました」

 瀬川は川崎は前への姿勢を大事にするクラブであることを重々理解しつつ、「チームとして守備も楽しんでやれれば良い」と話していた。

 味方のために走り、守り、戦える男は、今後も川崎にとって貴重な存在になりそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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