「新エースの真骨頂だ」タケ包囲網の中、久保建英の“時間を止めた”怒りのクロスをソシエダ番記者が称賛。交代策には嘆き「途中出場した選手の出来の悪さが響いた」

2023年09月23日 ミケル・レカルデ

いつものように交代出場のショはノーインパクト

インテル戦で厳しいマークを受けた久保。(C)Getty Images

 インテルはレアル・ソシエダにとって特別なライバルだ。1979-80シーズン、UEFAカップ(ヨーロッパリーグの前身)の1回戦で両者は顔を合わせた。アウェーでの第1レグでラ・レアルは0-3の完敗を喫した。

 第2レグは、伝説のスタジアム、アトーチャで行われた。ラ・レアルは必死の攻撃も実らず、2点止まり。トータルスコア2-3で敗退が決定した。ホキン・アペリバイ会長は、その日のことを「クラブ史上初の欧州カップ戦でのメモリアルな試合だった」と振り返る。

 歳月が経ったこともホームスタジアムが変わったことも関係ない。44年越しのリベンジを果たすべく、その因縁の相手をホームに迎えたラ・レアルは、積年の思いが乗り移ったかのように立ち上がりから猛攻を繰り広げた。しかしその間、1点しか奪うことができなかった詰めの甘さと途中交代で出場した選手の出来の悪さが響いて、終盤に同点を許し、試合は1-1の痛み分けに終わった。
 

 改めて議論されるべきは、今夏の補強戦略の是非だ。いつものようにイマノル・アルグアシル監督は後半途中でタケ・クボ(久保建英)をベンチに下げ、いつものように交代出場のモハメド=アリ・ショはノーインパクトに終わった。

 チャンピオンズリーグのようなコンペティションは、控えを含めたチームの総合力が問われる。クラブ史上最高のスカッドが揃った――。夏の移籍市場がクローズし、こう吹聴する連中は少なくないが、今のラ・レアルにはそれがない。これはアルグアシル監督に必要なツールを提供することができなかったスポーツ部門の失態である。

 先日のレアル・マドリー同様、インテルのシモーネ・インザーギ監督も「タケ包囲網」を敷いた。カルロス・アウグストをマーク役に任命するだけでは飽き足らず、同サイドのアレッサンドロ・バストーニとヘンリク・ムヒタリアンも頻繁にサポートに回った。ここまで警戒されたら、さすがに厳しい。25分までタケはほとんど目立つことはなかった。
 

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