仁川のカウンター攻撃に屈した横浜。試合後に指揮官が明かした中盤の新たな形の狙い

2023年09月20日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

攻撃時、2ボランチの喜田がアンカー気味に

攻撃に厚みを出すため、新たな中盤の形にチャレンジしたマスカット監督。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 9月19日に行なわれたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第1節。韓国の仁川ユナイテッドをホームの横浜国際総合競技場に迎えた横浜F・マリノスは、試合を2-2で折り返すも、75分と79分に立て続けに失点し、2-4で敗れた。

 試合後、ケヴィン・マスカット監督が「敵陣でボールを握るなかで、切り替えのところを注意しなければいけなかった」と悔やんだが、それもそのはずだ。

 オウンゴールを献上してしまった1失点目、敵陣からのロングボールでDFの背後を取られ、ジェルソ・フェルナンデスにネットを揺らされた2失点目、エルナンデス・ロドリゲスに叩き込まれた3失点目と4失点目は、すべてビルドアップのミスからボールを奪われ、カウンターから失点したものだったからだ。
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 CBでコンビを組んだ角田涼太朗と上島拓巳が、「相手のやってくることは試合前から分かっていた」と口を揃えたことを踏まえれば、チームとして仁川が速攻を仕掛けてくることを分析していたはずだ。だが、対応し切れなかった。

 怪我明けの角田は約4か月ぶりの本格的な実戦復帰。さらに中3~4日で続く9月の連戦を乗り切るため、4日前のJ1第27節・サガン鳥栖戦から、GK一森純を除くスタメン10人を入れ替えた。指揮官は「今日はスタートもそうだし、(交代メンバーを)選ぶに当たっていろいろありました」と振り返る。

 そうしたなか、横浜が新たな中盤の形にトライした。これまでは2ボランチとトップ下の三角形が基本だったが、この試合では攻撃時にボランチの喜田拓也がアンカー気味になり、もうひとりのボランチの吉尾海夏がひとつ前に上がって、トップ下の西村拓真と並行になる逆三角形を形成したのだ。

 マスカット監督は、このチャレンジの理由をこう語る。

「敵陣でボールを握っている時間が長いだろうという予測はありました。その時に吉尾にしても、植中(朝日)や西村にしても、前に人数をかけたかった部分で変化が見えたのかもしれません。相手の守備が低くて、なかなかスペースはなかったですが、それでも自分たちの動きで崩したかった」

 そして、西村も「今日は結果が出なかったからダメではなくて、あの形もあることをポジティブに受け取っていますし、みんなの共有意識にしたい」と前向きだ。

 ACLのグループステージはまだ始まったばかり。11月28日には敵地で再び仁川とも対戦するため、今日の経験を次に活かしたい。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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