【リオ五輪予選】霜田技術委員長が大会を総括。総合力の高さ、マネジメント力を評価、質には歯切れの悪さも…

2016年02月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

23人全員が当事者意識を持って戦えた。

五輪出場という最大の使命に対し、「23人全員が当事者意識を持って戦えた」と、霜田技術委員長はチームの一体感、手倉森監督のマネジメント力を評価した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

  今年8月に開催されるリオデジャネイロ五輪出場を決めたU-23日本代表の戦いぶりを、日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長が総括した。
 
 日本のアジア制覇から4日後の2月3日、都内のJFAハウスで報道陣の取材に応じ、リオ五輪最終予選を兼ねていた先月のU-23アジア選手権を分析。準決勝でイラクに2-1で競り勝って五輪切符を掴み、決勝では韓国に3-2で逆転勝ちしてアジア王者の称号を手に入れたチームの勝因を語った。
 
 大会前は五輪出場すら危ぶまれたが、終わってみればグループリーグから6戦全勝だった。霜田委員長はまず、チームの総合力を評価した。
 
「誰がベストメンバーなのか6試合を終えても分からなかったぐらい、23人の力が拮抗した良いグループになった」
 
 ターンオーバーの成功を勝因に挙げ、手倉森監督が初戦から先発を6人→10人→8人→4人→4人と変更したことに「休ませる選手、次に準備させる選手、23人全員が当事者意識を持って戦えたことが良かった」と称賛した。
 
 指揮官の功績についても「みんなで仲良く、というまとまりではなく、みんなで戦っている、というまとまり。その気にさせ、モチベーションを高く保てたことが一番」と説明した。
 
 一方で、アジア相手でも守備から入り、耐えて勝つスタイルを押し通した点には評価が分かれた。ボール保持率は50パーセントを下回り、押し込まれる時間帯も多かった。霜田氏は「技術的な検証はしている最中。細かい数字は後日、皆さんにもお話ししたい」と前置きした上で、「まずは五輪に出場する、世界大会を(リオ世代に)経験させないと次につながらない、ということが一番の使命だった。試合内容や個人のパフォーマンスより、チームとして結果を出せるかどうか」を優先した。
 
 大会を振り返り「今まで日本ができていたこと(ポゼッション)は、そんなにできなかったかもしれない。けど、これまで日本が苦手だった部分は克服できた」と、内容では上回っても勝ち切れなかった過去との違いを強調した。
 
 U-20ワールドカップ出場を果たせなかった世代に、手倉森監督が「柔軟性と割り切り」を植えつけた結果の賜物と言えるだろう。
 

次ページオーバーエイジを使うかどうかは2月中に決めると明言。

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