「ゴールが一番の薬」鳥栖戦で劇的な同点弾を決めたマリノス吉尾海夏「これから良い波に乗っていきたい」

2023年09月16日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「出して動いて入っていけば、絶対に剥がせる」

ピッチに投入されてから7分後の90分にゴールを決め、チームに勝点1をもたらした吉尾。写真:滝川敏之

[J1第27節]横浜 1-1 鳥栖/9月15日/ニッパツ三ツ沢球技場

 チームに勝点1をもたらす劇的な同点弾だった。

 1-1のドローに終わったJ1第27節のサガン鳥栖戦で、横浜F・マリノスはスコアレスで迎えた87分に失点を許す。しかし90分、チームを敗戦から救うゴールを決めたのが、吉尾海夏だ。
【PHOTO】横浜の出場16選手&監督の採点・寸評。トリッキーなトラップなどエウベルは高い個人技が光る。村上が右SBでリーグ戦デビュー
 83分に永戸勝也との交代で左SBに入った背番号25は、敵陣の左サイドで植中朝日からバックパスを受けると、そのままドリブルでカットイン。そしてエウベルとのワンツーでエリア中央に切れ込み、自慢の左足でネットを揺らした。
【動画】吉尾海夏、勝点1をもたらす同点弾!
 試合後、「日々の練習からああいう形はやっていて、(エウベルが)絶対に良いところに返してくれるという信頼もありました」と得点場面を振り返った吉尾は、その狙いをこう明かす。

「外から見ていて、(パスを)出して終わってしまうシーンが多いと感じていました。後半は相手の足がちょっと止まってきていたのもありましたし、出して動いて入っていけば、絶対に剥がせると思っていたので、それが良い形でゴールに繋がりました」

 ウイングやトップ下を主戦場とする吉尾だが、今季はその攻撃的なポジションでの出場機会がなかなか得られず、ここまではボランチや左SBでの起用が多かった。

 それでも、「どこで出ても自分が与えられていることをやる」と現状をポジティブに捉え、"得点"という目に見える結果に、「個人的には吹っ切れたというか、ゴールが一番の薬ってわけじゃないですけど、すごく難しい時間を過ごしたのは間違いないので、これから良い波に乗っていきたいです」と笑顔を見せる。

 リーグ連覇、そして9月19日から始まるACLグループステージの突破に向け、「今はいろんなポジションをやれるのが自分の強み」と話す吉尾の活躍に期待だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

【厳選ショット】87分、長沼洋一のゴールで先制されるも、90分の吉尾海夏の同点弾でドロー決着|J1第27節 横浜1-1鳥栖

【森保ジャパン26選手の通信簿】ドイツ&トルコを相手に計8発と躍動。最高の"S評価"だった3人は...

次ページ【動画】吉尾海夏、勝点1をもたらす同点弾!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事