【新潟】レオ・シルバと小林裕紀。起点となる2ボランチが、新たな新潟スタイルの肝に

2016年02月02日 大中祐二

今季最初の練習試合で、際立ったのは前線からの守備だった。

今季から就任した吉田新監督は、選手と対話を重ねながらチーム作りを進めている。写真:大中祐二

 昨季、なんとかJ1に残留した新潟は、吉田達磨新監督の就任によって、どう変わろうとしているのか。1月18日から2月1日まで15日間におよんだ高知での1次キャンプを終え、再出発した新潟の現状をリポートする。

 吉田監督が柏のトップチームを率いたのは、昨季の1シーズン。それまで長年に渡り柏のアカデミー(下部組織)で独自の攻撃サッカーを確立した吉田監督は、新潟にとって未知の存在と言えた。

 吉田監督と新潟の接点といえば、かつて柏の下部組織で指導したFW指宿洋史とGK川浪吾郎くらい。昨年12月2日、3年半の間、新潟を率いた柳下正明監督の後任として吉田新監督の就任がクラブから発表された時に、これからなにが起こるのかイメージするのは簡単ではなかった。
 
 昨季の新潟は4-4-2を基本に、時にミラーゲームを仕掛けるために3-4-2-1でも戦った。戦術的には、なにより守備における濃厚なマンマークが特徴的だった。一方、吉田監督に率いられた柏は、中盤の底にアンカーを置いた4-3-3。フォーメーションひとつとっても、違いは明らかだった。さらにコーチ陣も一新され、スタイルの激変も考えられた。
 
 1月7日の就任会見で吉田監督は、次のように"これから"についてのビジョンを語った。示された新たなチーム作りの方向性は、継続からスタートし、さらに前進していこうというものだった。
 
「これまでアルビレックス新潟が20年の歴史のなかで培ってきたもの。それと、ここ数年、前任の柳下監督のもとで築き上げてきたベース。とにかくタフで、闘う、走る。新潟にそういう印象を強く持っています。そういったすでにあるベースをしっかり引き継ぎながら、地域で皆様が作り上げてきたこのクラブを、チームを、確実に進化させようという決意でいます」
 
 継続のアプローチは、高知キャンプでさっそく表われた。27日に行われた最初の練習試合(5-2で勝利)。四国リーグのアイゴッソ高知、高知Uトラスターが統合された高知ユナイテッドとのゲーム(30分×4本)で際立ったのが、相手がボールを持った時に、2トップが前から激しく追い込んでいく守備の姿勢だ。

次ページ新監督が目を光らせるのは、守備時の2ボランチのポジショニング。

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