【移籍専門記者コラム】ナニにも中国から巨額オファー。ジェルビーニョと強力な両翼を形成!?

2016年01月27日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

もっとも重要なオファーは中国から届いている。

フェネルバフチェでさすがの存在感を見せているナニには、数々のクラブから獲得オファーが届いている。中でも中国のそれは、到底無視できない巨額と見て間違いない。(C)Getty Images

 マンチェスター・ユナイテッドを離れたナニは、常にスーツケースを傍らに置き、いつでも次の目的地に飛ぶ準備を整えている。
 
 2014年夏にはレンタルで古巣スポルティングに復帰し、その1年後にはトルコのフェネルバチェに完全移籍。そして今度は、新たなリーグどころか、新たな大陸に活躍の場を求めようとしている。
 
 今シーズンはここまで公式戦通算27試合で8得点・7アシストという素晴らしい数字を残す29歳のドリブラーには、獲得を望むクラブが列を成している。中でも、もっとも重要な、つまりもっとも巨額のオファーは中国から届いている。
 
 ルイス・アドリアーノ(ミラン)とロイク・レミ(チェルシー)に拒絶され、イスラム・スリマニに対する1500万ユーロ(約21億円)のオファーをスポルティングに蹴られた江蘇蘇寧、そしてローマからジェルビ―ニョを購入したばかりの河北華夏幸福が、ナニの獲得に乗り出しているのだ。
 
 中国への移籍は、フットボーラーとしてのキャリアのみならず、人生を左右する大きな選択だ。まずは本人がフェネルバフチェとの間で残留か移籍かの合意を形成する必要がある。すべてが動き出すのは、それからだ。
 
 いずれにしても、決断の時は近づいている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。

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【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
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