「試合中に出てたんですよ。方向的に見えちゃって」女子W杯得点王の宮澤ひなたはスペイン戦の苦しい時間帯に何を目撃したのか

2023年08月30日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

スペイン戦は戦い方がハマった

快くインタビューに応じてくれた宮澤。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 2023年の女子ワールドカップでなでしこジャパンがスペインを4-0で下した試合を今でも鮮明に覚えているファン・サポーターは多いだろう。後にワールドカップを制すスペインをなぜスコア的に圧倒できたのか。この試合で2ゴールを決めた宮澤ひなたは次のように話していた。

「上手いのは分かっていて、ボールを持たれる時間帯が長くなることは予測できました。だから、持たれているというよりは持たせている感覚で戦っていました。相手が前がかりになるのは分析でも分かっていて、そこをチームの共通認識としてみんなが理解していたのは大きかったです。攻撃回数は少なかったですが、自分も含め前の選手がチャンスをしっかり決めきれたのは嬉しかったですし、チームとして戦い方がハマった試合でした」  

 ただ、試合序盤は「苦しかった」とも宮澤は述べている。

「本当に苦しい時間帯が続いていて、正直言うと、試合中に出てたんですよ、ポゼッション率が。方向的に見えちゃって。こんなにパスを回されているんだって。それが頭をよぎる時もあって」
 
 この試合のポゼッション率は、日本が23パーセントで、スペインは77パーセントだった。

 その嫌な時間帯を乗り越え、12分、カウンターから宮澤が先制ゴール。本人曰く遠藤からのパスは「あっ、来た」という感覚だった。ここにボールが来るだろうと予測しての動き出しは秀逸だった。

 ポゼッション率が全てではないという事実を突きつけた意味で、スペイン戦は痛快だった。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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