「めっちゃ上手い」若手の感想に中村俊輔の反応は? 錆びつかない技巧。存在自体が手本となり、模範となる

2023年08月28日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「同じフォームで、いろんなボールを蹴ったりする」

横浜FCでコーチを務める俊輔。言葉でも、プレーでも説得力のある指導を続ける。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

「コーチとして、見られてないじゃん!」

 今季から横浜FCで指導者のキャリアをスタートさせた中村俊輔に、「『めっちゃ上手い』って言ってますよ」と伝えると、45歳のレフティは冗談交じりに返した。

 8月某日の全体練習後。俊輔コーチは若手数人の自主トレで指導にあたっていた。俊輔がパスを出し、選手たちがダミー人形をかわしてシュート。サイドからのクロスに合わせるパターンもある。

 時折、俊輔が選手たちに言葉をかけている。ユース昇格1年目の高塩隼生も、真剣な眼差しで聞いている。

 この日は、どんな助言を受けたのか。19歳MFが教えてくれた。

「クロスなら、ファーにふんわりする蹴り方で、軸足を曲げてとか。シュートなら、ステップを踏まないで、ずらしてすぐ打つとか」
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 先達の教えに耳を傾けつつ、高塩はまた違ったアプローチで学び、吸収しようとする。

「めっちゃ上手いんで。見て、真似してとかのほうが多いかも。同じフォームで、いろんなボールを蹴ったりする」

 指導者1年目の俊輔としては、プレーヤー的な見られ方は、ともすれば違和感があるのかもしれない。それでも、実際のプレーで見せられるのは、やはり説得力があるのではないか。コーチ云々の前に、"中村俊輔"という存在自体が理想的な手本となり、模範となっている。

 前述の自主トレのあと、GKのロングキックの練習では受け手となる。放たれたボールをピタリと止めた左足で、そのままスッと持ち運ぶ。シームレスなトラップとコントロール。熟練の技巧はまるで錆びついていない。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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