香川は出番なしも……ドルトムント、難敵相手に高質なサッカーを披露――ボルシアMG 1-3 ドルトムント

2016年01月24日 遠藤孝輔

ベンチに座り続けた香川と低調カストロの争いは今後も見もの。

 ブンデスリーガ第18節のビッグマッチを制したのはドルトムント。敵地ボルシア・パルクでボルシアMGに3-1の勝利を収め、前日にハンブルクを破っていた首位バイエルンとの勝点差(8)をキープした。
 
 立ち上がりから苛烈を極めたのが主導権争い。両軍ともに密度の高いハイラインプレスを敢行するなど、非常にインテンシブな戦いが繰り広げられた。
 
 最初の好機はホームチームに訪れた。6分、左CKにフリーで合わせたCBクリステンセンが強烈なヘディングを披露。その3分後、ドルトムントが牙を剥く。ロイスのクロスにオーバメヤンが合わせ、ボルシアMGの守備陣に冷や汗をかかせた。
 
 その後も一進一退の攻防は続く。19分にボルシアMGのSBヴェントがエリア内で際どいシュートを撃てば、33分にはドルトムントのMFギュンドアンがバーを叩くミドルを放ち、互いに先制ゴールを挙げる気配を濃厚に漂わせた。
 
 そして41分、ついに試合が動く。GKのフィードを受けて前を向いたギュンドアンが、DFライン裏に秀逸なスルーパスを供給。これに反応したロイスが、自身の古巣であるボルシアMGのネットを豪快に揺さぶった。
 
 GKビュルキの素晴らしい飛び出しで48分のピンチをしのいだドルトムントは、50分に追加点を挙げる。ロイスのラストパスをゴール前で受けたムヒタリアンがダイレクトで流し込み、相手GKゾマーの牙城を崩した。
 
 ボルシアMGがホームの意地を見せたのは58分。ラファエウの一発で1点差まで詰め寄った。
 
 しかし、75分に痛恨の3点目を献上(得点者はギュンドアン)。それでも諦めず、83分に再びビッグチャンスを作り出したが、今冬の移籍市場でドルトムントから獲得したホフマンが決定機を逃し、そのままタイムアップのホイッスルを聞いた。
 
 決して調子が悪くなかった難敵相手に、改めて質の高いサッカーを見せつけたドルトムントのなかで、やや精彩を欠いていたのは70分に交代を命じられたMFカストロだ。
 
 ロイス、オーバメヤン、ムヒタリアンと同じアタッカーが輝きを放った一方で、ボールに絡む頻度が少なく、明らかに不完全燃焼に終わった。この日、出番がなかった香川とのポジション争いは、今後もしばらく続くのではないか。
 
 次節、ドルトムントがホームに迎えるインゴルシュタットは、香川が今シーズン初ゴールを挙げたチーム。香川にとっては、自身の後半戦を占う重要なゲームとなるかもしれない。

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文:遠藤孝輔
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