拙攻マインツ、相手のプレスに苦しみリーガ再開後の初戦を落とす――インゴルシュタット 1-0 マインツ

2016年01月24日 遠藤孝輔

武藤は後半途中から出場するも…。不可解だった指揮官の采配。

 約1か月のウインターブレイクを経て、ついに再開したブンデスリーガ。1月23日(現地時間)に行なわれた第18節、インゴルシュタットがマインツを破り、ホームで貴重な勝点3を手に入れた。
 
 良い形で試合に入ったのは、そのホームチーム。前線から積極的にプレスをかけ、マインツに攻撃の形を作らせず、5分、10分とフィニッシュまで持ち込む。どちらもゴールに結びつかなかったが、主導権を握ろうとする姿勢をはっきりと示していた。
 
 対するマインツは、チグハグなプレーを連発。クサビの縦パスを受けるCFのコルドバ、ボール回しの起点となるボランチのバウムガルトリンガーが敵のタイトなマークに苦しめば、アタッキングサードで変化をつけるトップ下のマッリや、両ウイングのハイロとクレメンスも精彩を欠く。
 
 それでもマインツは、何度かDFライン裏へのアバウトな放り込みからチャンスを作りかけたが、相手GKエズジャンの抜群の飛び出しに阻まれた。
 
 フィールドプレーヤー全員の激しい運動量をベースとしたプレッシングで、マインツをがんじがらめにしていたインゴルシュタットに41分、この日最大のチャンスが訪れる。CBベルのハンドにより、PKのビッグチャンスを得たのだ。これをハルトマンが冷静にモノにして、チームに待望の先制ゴールをもたらした。
 
 マインツは1点を追う立場になりながら、後半もとりわけ攻撃が改善する兆しが見られない。不可解だったのは、シュミット監督の采配だ。マッリとともにチームの得点源となっている武藤を先発から外したうえ、68分までいっさいの選手交代に踏み切らず、チームの拙攻を招く一因となっていた。
 
 その68分にピッチに送り込まれた武藤は、左ウイング→2トップの一角としてプレー。試合終盤に味方とのワンツーでDFライン裏に飛び出したが、オフサイドポジションにいたコルドバがパスに反応してしまい、不運なかたちで得点機を潰されてしまった。
 
 相手のプレスに苦しんだうえ、指揮官の采配も冴えなかったマインツは結局、ボールを保持しつつも決定機を作り出せず、開幕戦で敗れていた相手に再び0-1の敗戦を喫した。
 
 順位自体(8位)は変わっていないものの、これでインゴルシュタットに勝点1差まで肉薄されたマインツ。欧州カップ戦の出場権獲得をめざすうえで、手痛い足踏みとなった。
 
文:遠藤孝輔

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