最悪なのは裸の王様状態。黒田剛がそれに気づくうえで重要だった青森山田時代「雑草抜きまでやってきた」

2023年08月08日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

分担作業したいのにできない時代

青森山田時代に培った経験について語ってくれた黒田監督。写真:塚本侃太(サッカーダイジェスト写真部)

 FC町田ゼルビアを率いる黒田剛監督がチームをまとめるうえで重視しているのが、「独りよがりにならない」スタンスだ。

「監督が頭でっかちになって、あれもできるこれもできる、あれもやりたい、これもやりたい、あれやっとけ、これやっとけ、というのは独りよがりで裸の王様状態。それが組織にとって最悪な状況。学校経営やホームルーム経営にしても、小さい組織でもすごく神経を使って、みんなが同じベクトルの方向に進んでいく。これが組織の進み方としてすごく重要です」

 では、なぜそのような考え方になったのか。背景には、青森山田に携わった30年間の蓄積がある。

「その30年の中で私ひとりの時代も長かった。ウォーミングアップも監督業もやれば、1日3試合も4試合もやるわけで、チーム数が多くなれば全部を見ないとダメ。何千キロとバスを運転したり、色々と分担作業したいのにできない時代も経験しています。その苦しみを理解しているし、だからこそ一つひとつの仕事の重みや重要性もすごく分かっています」
 
 その経験があって、今はむしろ良かったと考えている。

「いきなりプロの生活に入っていたら、多分そこへの感謝や一つひとつの仕事の重みや責任をあまり感じなかったかもしれません。(青森山田時代は)長年、ひとりで練習相手を見つける作業、マネージャー的な業務、グラウンド整備から芝生の管理、雑草抜きまでやってきました」

 だから、黒田監督は「細部までアンテナを張れる状態になっている」。分担作業は重要だが、とはいえ「組織の中に人がいればいるほど良いわけではない」とも思っている。

「適材適所を意識して、みんなでその仕事を高め合ったり共有していく。それが組織としてすごく重要。スポーツ競技の組織に限らず、なんでも一緒です」

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

【動画】黒田監督が語る「組織論」

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